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フランチャイズ契約締結や更新時おけるFC本部の加盟店との向き合い方

フランチャイズ本部にとって加盟店は店舗数拡大・収益拡大の源泉であり、手放したくない存在です。
しかし自社の商品・サービス、ブランド価値を守るためには既存の加盟店に対しては厳しい対応も必要となって来ます。
今回は、フランチャイズ契約締結や更新時におけるフランチャイズ本部の加盟店への向き合い方について触れて行きます。

1.新規フランチャイズ加盟候補者への対応

加盟説明会に顔を出してくれる加盟候補者の方々は本部にとって宝です。
是非とも契約に結びつけたくなります。

しかし甘い言葉で勧誘するのではなく、目一杯厳しいことを伝えていただきたいのです。
なぜなら甘いことを伝えた後でのフランチャイズ契約は、トラブルが続く傾向にあるからです。

例えば、大手CVSチェーンはフランチャイズ契約書を完璧に作り上げていることが前提で加盟者に向き合っていますが、それでもトラブルは日々発生するものです。
しかもこれからの時代で注意しなければならないのは、新規加盟候補者でありながら、経験値の高い候補者も多いということです。

具体的には、フランチャイズシステムが世の中に浸透してきたことで、他の業種・業態でフランチャイズ加盟店として運営して、契約満了や中途解約でフランチャイズ契約を終了した経験者が増えてきているのです。
これらの経験者は本部との付き合い方、フランチャイズのビジネスモデルの活用の仕方、本部とのトラブルなどを既に経験してきています。
残念ながら悪意のある候補者も少なからずいます。

つまり決して新規加盟者だからといって、気を緩めて対応してはいけないのです。
フランチャイズ本部としては、加盟説明会の段階から加盟候補者と真剣に向き合って、ビジネスモデルの利点やフランチャイズ本部と加盟店は一蓮托生である姿勢を訴える必要があるでしょう。

2.フランチャイズ契約更新(再契約)時の本部の対応

既存の加盟者の場合、次の契約期間を本気で全うする気があるのか、更新時には真剣に加盟店と向き合って時間をかけて話し合う必要があります。
本部としては更新(再契約)を強く望んでいるところですが、方向性の異なる加盟者とは更新(再契約)すべきではありません。

たとえ、一人の加盟者を失うことになったとしても、本部経営者の理念を曲げるようなことはあってはならないのです。

更新時ポイント

年齢的な体力に問題はないか、満了時まで全うする体力に自信があるのか

残念ながら、体力の衰えは誰もが感じるものです。
店舗ビジネスにおいて、店頭に立ち続けるのは大変な重労働です。

とくに、個人加盟者の場合には、直近3ヶ月以内の健康診断(人間ドック)の結果は必ず確認し、健康状態が良好であることを更新の条件とするべきです。
年齢を重ねると多少の疾患や衰えはあるものです。
しかし、診断書にて店舗運営業務に支障はない旨のエビデンスは必ず取る必要があると思います。

ライフプランの見直し

ライフプランは年を重ねる度に重要度も増し、正確性も必要となってきます。
老後のためにどれだけ手残りが必要なのか、リアルに感じてくるからです。
本部やSVはライフプランナーではないですが、ライフプランの入り口である収入源を担っているため、フランチャイズビジネスの計画はライフプランのスタート地点なのです。

最も加盟店をグリップできているのはコンビニ業界とも言われます。
その理由は、加盟者が個人加盟者であればその生活水準・借入金までしっかりと踏み込んで指導しているからです。
ライフプランの見直しをSVとオーナーが一緒に考えていくことも必要だと考えているのです。

資金繰り、借入残、月額返済額

どれだけ売上があっても返済額が莫大であれば利益が残りません。
今の売上・中長期売上計画から、今の収入で足りているのか、逆に出店投資が行き過ぎていなかったのか、この更新のタイミングでしっかりと加盟店と一緒に見直すことも重要です。

返済不能・債務不履行・税金滞納処分で突然加盟店が離脱に迫られる前に対策を打っておくタイミングと言えます。
本部主導で行っていくことが重要でしょう。

出店余力があれば店舗数拡大を提案し、逆に借入れが多い加盟店に対しては店舗の縮小と金融機関とのリスケ交渉を一緒に行うことも必要ではないでしょうか。
勇気ある撤退も重要な判断です。

次の満了時はどうするつもりか、後継者をどう考えているか

これは本部にとっての今後の店舗数計画、加盟者数計画に大きく左右されるものです。
大手のフランチャイズ契約は10年・15年が多いですが、中小フランチャイズチェーンであれば5年や7年の本部も少なくありません。

5年のフランチャイズ契約期間などあっという間です。
満了の1年前から双方が交渉や対話を始めようとすると、考える時間は実質4年しかないということです。

その間に当該店舗の行く末を想定しておかなければなりません。
後継者がいるのであれば一緒に後継者を育て、後継者が不在であれば、次にその店舗をどの加盟者に運営してもらうのか、常に想定しておかなければ、本部も経営計画など立てられません。

なお、大手CVSによるフランチャイズ契約更新時の加盟店離脱対策も参考になりますので、こちらのコラムも併せてご覧いただければと思います。

フランチャイズ契約更新を迎える加盟店の離脱を防ぐための手段とは

まとめ

これらのように、新規フランチャイズ契約やフランチャイズ契約更新(再契約)のタイミングは、互いの将来を占う非常に大事な時期です。
加盟店にとっては将来のライフプランに、本部にとっては出店計画、経営計画に大きな影響を与えます。

加盟店の契約更新は本部にとっても望むところですが、自信のビジネスを高いレベルで維持し、イニシアティブを持って取り組み続けるためには、加盟店選びは非常に大事なのです。
誰と一緒にビジネスをやるのか、これ程自身の将来を左右するものはないと言えます。

当然ながら、新規の加盟者を探すのは、どこのフランチャイズ本部も大変苦労しています。
従って既存の加盟者を大事に育てる体制が本部の発展には欠かせません。

目先の加盟者確保よりも、加盟者と本気で向き合って厳しい指導を厭わない体制を整えた「信用のおける本部」であることが、結果として加盟者が残り、加盟者が集まるフランチャイズ本部ということではないでしょうか。

なお、フランチャイズ展開で成功を実現するためのフランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築の極意。5つの手順と成功する3つのポイント

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