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フランチャイズ展開に必要なマニュアルの作成方法と管理のポイントを完全公開!

加盟店に対して「成功する仕組み」を提供するフランチャイズ本部にとって、本部がこれまで培ってきたノウハウをまとめた「マニュアル」は、まさにフランチャイズシステムの“要”ともいえるものです。

フランチャイズ本部としては、加盟店が成功するために必要なノウハウを、漏れなく体系的にマニュアルに落とし込んでおくことが求められます。

しかし、実際に「マニュアルをつくろう!」と考えたときに、何からはじめたらいいかわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、これからフランチャイズ展開をはじめる方を想定し、フランチャイズ本部が知っておくべきマニュアルの作り方や管理のポイントについて解説していきます。

なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築の極意。5つの手順と成功する3つのポイント

1.フランチャイズ展開に必要なマニュアルとは

フランチャイズ展開に必要なマニュアルには、「加盟者向け」と「本部向け」のものがあります。

加盟者向けとしては、「理念・コンセプトマニュアル」「オペレーションマニュアル」「マネジメントマニュアル」があります。
本部向けとしては、「オープンマニュアル」「スーパーバイザーマニュアル」「加盟店開発マニュアル」があります。

なお、フランチャイズ展開に必要なマニュアルの種類や内容について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ展開に必要なマニュアルの意義から用意すべき内容までを解説

「加盟者向け」と「本部向け」のどちらも大切なマニュアルとなりますが、これからフランチャイズ展開をはじめる場合には、まずは「加盟者向け」のマニュアル作成からとりかかり、その後フランチャイズ展開と並行して「本部向け」のマニュアルを整備していくとよいでしょう。

2.フランチャイズ展開に必要なマニュアルのつくり方とそのポイント

つづいて、フランチャイズ展開に必要なマニュアルのつくり方とそのポイントを確認していきましょう。

(1)マニュアル作成の手順

「マニュアルをつくろう!」と考えたときに、よくある失敗例が「いきなりマニュアル作成に取りかかる」ことです。

いきなりマニュアル作成に取りかかってしまうと、ほとんどの場合、作成したマニュアルに漏れや重複が発生してしまいます。
この状態では、「加盟店が成功するために必要なノウハウが漏れなく体系的に落とし込まれたマニュアル」ということはできません。

このようなことにならないためにも、マニュアルづくりはしっかりとした手順を踏んで進めていくことをおすすめします。

弊社では、以下のステップでマニュアルつくりを進めていくことをおすすめしています。

ステップ1:マニュアル化の全体像を決める

まずはじめに、マニュアル化する業務の全体像を決めていきます。

加盟店が成功するためにマニュアル化すべき業務を洗い出し、「書籍の目次」のようなイメージで体系図を作成していくのです。

マニュアル種別大見出し小見出し
オペレーションマニュアル1日の流れ出勤時にやること
開店時にやること
営業時間にやること
退勤時にやること
接客方法接客の心構え
あるべき身だしなみ

  

余談ですが、書籍を執筆するときも、予めテーマに基づいた目次を作成し、その目次に基づき執筆をしていきます。文章を書く専門家であっても、いきなり執筆はできないのです。

マニュアルの全体像を決めておくことによって、マニュアル作成の段階で発生しがちなマニュアルの漏れや重複を予防することができます。
結果、実際にマニュアルをつくり込む際に、スムーズに進めていくことができるのです。

ステップ2:手順やルール等が不明瞭な業務についてあるべき姿を定義する

マニュアル化の全体像を整理したら、手順やルール等が統一されていない業務がないかを確認し、そのような業務がある場合には、マニュアル化に着手する前にあるべき姿を定義していきます。

優秀な店舗がどのような手順やルールで進めているかを確認したうえで、フランチャイズチェーンとしてのあるべき姿を決定してもよいでしょう。

この工程を挟まない場合、マニュアルの内容が作成を担当するスタッフや、モデルとなる店舗のあり方によって決定してしまうため、「加盟店が成功するために必要なノウハウが漏れなく体系的に落とし込まれたマニュアル」にならない恐れがあるためです。

逆に、マニュアル作成とあわせて業務の手順やルールを見直すことによって、業務の効率性自体を高めることにもつながっていきます。

ステップ3:マニュアルに落とし込む

マニュアル化の全体像を整理し、各業務についてあるべき姿を定義したら、いよいよ実際のマニュアル作成に着手していきます。
マニュアル作成にあたっては、以下のポイントを押さえておくと、未経験者でもわかりやすいマニュアルとすることができます。

①はじめに業務の全体像をとらえる

例えば、店舗の清掃方法をまとめる際にも、いきなり清掃の具体的な方法から入るのではなく、「開店前にする清掃項目」「営業中にする清掃項目」「閉店後にする清掃項目」といったように全体像をとらえ、そのうえで、各清掃方法について説明をしていくようにします。

はじめに全体像が示されることによって、読み手の理解度が高まることが期待できます。

②作業の手順やポイントを具体的に記す

マニュアルは、当該業務について未経験者でも、マニュアルに従って業務を進めることで70点くらいは取れるようにしておくことが大切です。そのためには、マニュアルの記載内容をできる限り具体的なものにする必要があります。

たとえば「テーブルを綺麗に拭く」という抽象的な表現ではなく、「テーブルの表面に除菌剤を噴霧し、ダスターで往復1回拭く」といったように具体的に記します。

③画像や動画を活用してイメージできるようにする

「②作業の手順やポイントを具体的に記す」と関連しますが、未経験者でも業務内容についてのイメージがもてるよう、マニュアルにはできる限り多くの画像を盛り込むことがおすすめです。

最近では、文章での説明が難しい業務については、動画を活用してマニュアル化しているフランチャイズ本部も増えてきています。

(2)マニュアルの形式は文章と動画、どちらがよいのか?

マニュアルにおける「動画の活用」をご紹介しましたが、最近では、スマートフォン等で手軽に動画を取れるようになったことから、動画を活用してマニュアルをつくる会社が増えています。

それでは、動画でマニュアルを用意すれば、文章のマニュアルは用意しなくてもよいのでしょうか。

この点、弊社は動画だけでマニュアルを作成することには否定的な立場です。
その理由は、次の2点があげられます。
・動画だけのマニュアルだと業務の全体像を示すことが難しいこと
・「見たいときに、見たい部分だけ見る」という運用が文章に比べてしにくいこと

文章のマニュアル、動画のマニュアル、それぞれ良い点・悪い点があります。
そのため、どちらか一方で完結する、というものではありません。

そのため、マニュアルの作成にあたっては、文章と動画、それぞれの特徴を踏まえて、相互補完的に活用することをおすすめします。

(3)マニュアルをつくる際の留意点

続いて、マニュアルを作成する際の留意点を確認しておきましょう。
マニュアル作成時の留意点としては次の2つがあげられます。

①日々ブラッシュアップしていく

留意点の1つ目は、日々マニュアルをブラッシュアップしていく意識を持つ、という点です。

そもそも、マニュアルに「完成」という概念はありません。現時点で完成形だと考えていても、日々、事業運営している中で、業務のあり方やあるべき姿は時の経過とともに変化していくはずです。

ですから、マニュアルも日々ブラッシュアップをし続けていかなければなりません。一生懸命つくったマニュアルも、放置しておけばすぐにつかいものにならなくなってしまいます。

②フランチャイズ本部にとって最重要ノウハウはあえてマニュアル化しない

留意点の2つ目は、フランチャイズ本部にとって最重要ノウハウはあえてマニュアル化しないことです。

マニュアルは、加盟店に渡されるものですから、その中に盛り込まれたノウハウは、すべて加盟店の手にわたってしまいます。フランチャイズ契約期間中はいいかもしれませんが、すべてのノウハウを習得した加盟店は、契約終了後に「自分自身で同じ事業をやろう」と考えるかもしれません。

また、マニュアルはどれだけ流出防止対策をしたところで、流出をゼロにすることはできません。そのため、「他社に知られては困ること」をマニュアル化し、加盟店に渡すという行為は、フランチャイズ本部にとって大きなリスクとなります。

以上から、他社に知られては困ると考えるような最重要ノウハウは、あえてマニュアルしない、という選択も十分にあり得るのです。

2.フランチャイズマニュアルは管理も大切!

最後に、マニュアルを管理する際のポイントについても確認しておきましょう。
マニュアル管理のポイントとしては次の2つがあげられます。

(1)マニュアルの流出を徹底的に防止する!

フランチャイズ本部にとってのマニュアルは営業秘密の塊です。万が一、これが流出するようなことになれば、フランチャイズ本部は大きな損害を受けることになります。

マニュアルが流出するのをゼロにすることは難しいかもしれません。しかし、できるだけの対策は講じておくべきです。
具体的な対策としては、次の内容があげられます。

①データでは提供はしない

マニュアルをデータ形式で渡してしまうと、流出を防止することは不可能になります。
マニュアルの流出を防ぎたいのであれば、加盟店にデータで渡すことは絶対に避けましょう。

②マニュアルにシリアルナンバーを振る

フランチャイズ加盟店に渡すマニュアルには、全ページにシリアルナンバーを振っておきましょう。仮にマニュアルが流出した場合にも、シリアルナンバーが確認できれば、流出元を特定することができます。加盟店のマニュアル管理に対する意識が高まることも期待できます。

シリアルナンバーを消されることも考えられますが、マニュアル全ページのシリアルナンバーを削除するのは手間がかかるため、流出リスクを抑制することができます。

③原本データにアクセスできる人を限定する

マニュアルの流出が起きるのは、加盟店からだけではありません。むしろ、本部の内部から起きる方が多数派でしょう。

内部からのマニュアル流出を防止するためにも、マニュアルの原本データにアクセスできる人は幹部社員に限りましょう。

④契約終了後に加盟店から返還してもらう

マニュアルを加盟店にあげてしまっては、仮に外部への流出を防げたとしても、契約終了後にフランチャイズ本部にわからぬようにノウハウを流用されるリスクがあります。

これを防止するためにも、フランチャイズ契約終了後には渡したマニュアルを加盟店から返してもらうようにしましょう。

⑤マニュアルの流出に違約金を定めておく

どんなに対策を施したとしても、マニュアルの流出をゼロにすることはできません。万が一の事態も想定し、フランチャイズ契約書には、マニュアルの流出に対する違約金を忘れずに定めておきましょう。

(2)更新ルールを明確にする

すでにお伝えした通り、マニュアルは一度つくって終わりではありません。日々ブラッシュアップをしていくことで、よりよいマニュアルに仕上がっていくのです。
ここで大切になるのが、マニュアルの更新ルールを明確にしておくことです。

よくあるケースが、「マニュアルをそれぞれの担当者が更新した結果、どれが最新のものかわからなくなってしまう」というケースです。マニュアルが商品であるフランチャイズ本部の管理体制としては、あまりにお粗末です。

このような事態を防止するためにも、最低限、マニュアルの更新担当者を決めておくとともに、更新日と更新内容、更新担当者名を記録しておくようにしましょう。

更新前のマニュアルについても、すべて保管しておき、必要な時に確認ができるようにしておくとよいでしょう。

まとめ

以上、フランチャイズ本部が知っておくべきマニュアルのつくり方や管理のポイントをご紹介しました。

加盟店に対して「成功する仕組み」を提供するフランチャイズ本部にとって、本部がこれまで培ってきたノウハウをまとめた「マニュアル」は、まさに要ともいえるものです。

フランチャイズ本部の責任を果たすためにも、加盟店が成功するために必要なノウハウを漏れなく体系的に落とし込んだマニュアルは必ず用意をしておきましょう。

なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築の極意。5つの手順と成功する3つのポイント

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