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FC本部に対する公正取引委員会のガイドライン見直しについて

日経新聞の記事によると、公正取引委員会はコンビニなどのフランチャイズチェーン(FC)に関する指針の改正に本格的に動き出すようです。
加盟者からの要望に対して本部が積極的に協議に応じない姿勢が「優越的地位の濫用」にあたると解釈するというものです。

今回は加盟店と本部の関係について、具体的な事例を元にコンビニ業界を中心に考察したいと思います。

公正取引委員会の見解

コンビニ業界における本部と加盟店の関係については、長きに渡って課題はありました。
しかし加盟時に締結したFC契約書がビジネスの根底であり、この内容を順守することを前提として加盟者の要望を本部が押さえてきたのが実情です。
これはFC契約書通りに対応してきたことであり、決して本部が非難されることではありません。

しかしながら社会情勢も変わり、経営資源の圧倒的な強者である本部が、加盟店に対し優位な立場であることは否めません。
FC契約書上では本部と加盟店は対等なビジネスパートナーと謳われていますが、実態は異なるということは誰も否定できないでしょう。

今回の公正取引委員会の見解は、その「優越的地位の乱用」に踏み込むことがポイントです。
これまでの課題は周知の事実であった点を踏まえると、やや遅きに失したとも言えなくはありません。

特に問題とされた点

    ・加盟店からの24時間営業の見直し協議に応じない本部の姿勢
 ・本部による仕入れの強制
 ・販売期限の迫る商品の値引き販売をさせない仕組み

これらは何十年も前から加盟店から要望のあった事案です。
加盟店からすれば、ようやく動きだしたという印象でしょう。
つまり時代が許さなくなったことで、ようやく行政が動き出したということなのです。

問題の本質とは

公正取引委員会の見解が明確になったことは、加盟店保護の観点から非常に良いことであり、適切な判断であると思います。
加盟者にとっては、行政の後ろ盾ができたことで心理的な安心感はあります。
しかし問題の本質はやや異なる、ということを考えておかなければなりません。
それぞれの事項について、実際に考えてみましょう。

24時間営業の見直し

既に各チェーンで、加盟店の希望を聞いた上で、全国で時短営業の実験を実施しています。
売上・利益やその他の影響について実証結果も積み上がっています。

実験の結果では、時短営業をすることが加盟店収益に影響しない店舗と、加盟店利益が明確に下がる店舗があるようです。
これは立地によって大きく異なると思います。

時短営業が加盟店収益に悪影響を与えていない店舗は継続して時短営業をしていますが、加盟店の意向で24時間営業に戻した店舗も多数あるようです。
これは、想定以上に加盟店収益への悪影響があったということでしょう。

また、24時間営業を時短営業に変えるということは、閉店作業が必要となりますし、納品時間も変更しなければなりません。
その結果、スタッフのシフト時間を調整する必要性が生じるなど、加盟店の負担は少なくありません。
そのため、時短営業により売上が減少すれば、それ以上に加盟店の利益は低下することになります。

このように、時短営業を行うことは、必ずしも加盟店のメリットばかりとも言えないのです。
つまり、公正取引委員会が集めた加盟店アンケートの結果と実態はイコールではない、と言うことです。
加盟者側が時短営業を望まないケースが多くあるのは、その証といえるのではないでしょうか。

本部による仕入れの強制を見直す

小売業にとって商品の仕入れは商売の生命線です。
品質・仕入れ価格・鮮度・物流納品システムなど、コンビニ本部の構築した仕組みと、購買力(調達力)は圧倒的な強さを誇ります。
これらを無視してまで加盟店が自ら商品を仕入れるメリットがあるでしょうか。

たしかに、備品・用度品などは、本部推奨商品よりも100円ショップで購入する方が安いケースもあるでしょう。
しかし、これらを加盟店が独自に購入することは、それなりの手間が発生します。
これらの備品・用度品も本部のシステムで発注すれば、本部の物流網に載って商品と一緒に届けてくれるため、加盟店が独自で仕入れるメリットはあまりないように思えます。

特に商品調達力が顕著に現れるのが災害時の対応です。
早期に営業を再開でき、地域住民からも喜ばれるインフラとなっている強さは、本部の商品調達力の賜物なのです。

このように、本部からの仕入れを強制することは、それなりの必然性があるのです。
加盟店が独自で仕入れを行うことの必要性について、一度立ち止まって考えてみる必要があるのではないでしょうか。

販売期限の迫る商品の値引き販売

これは値引きをするタイミングが重要であり、値下げ価格を決める難しさがあります。
さらに値引きをすることで、自店で販売している商品の価格信用力が低下します。
これらの手間と労力、価格信用力を失うリスクを、加盟店がどれだけ受け入れられるかということです。

値下げ販売を行うことは、コンビニにおいては客離れが発生する可能性もあるのです。
一日の来店客数が900人前後のコンビニと、一日に数千人の来店客が数千円の客単価で商売をするスーパーとは、「商売の本質が異なる」と言うことも意識する必要があります。

まとめ

今回の改正案は、加盟店にとって全てがハッピーとは言えません。
加盟店の自己責任も出てきます。
つまり加盟する側も、本質的な点をしっかりと見極める必要があると言うことです。

ただし、公正取引委員会が本腰を入れて加盟店の後ろ盾になることは、コンビニ業界全体、FCビジネス全体の健全な発展の上では、適切な判断だと思います。
一方でFC本部にとっては、利益分配・加盟店負担軽減の観点から、今一度自社のビジネスモデルの見直しや再構築が迫られていると言えるでしょう。

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