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加盟者にフランチャイズ本部からの商材購入を義務付けるのはあり?注意すべき点は?

「本部が使用している商材を加盟者にも使用してほしいと考えています。契約書で義務付けることは可能ですか?」

これは先日弊社にフランチャイズ本部構築のご相談で訪れた美容院経営者からいただいた質問です。

事業をフランチャイズ化するにあたり、直営店で使用している商材や原材料は、そのまま加盟店にも使ってほしいと考えるのが自然でしょう。
この際、フランチャイズ本部から加盟者に卸売販売する形としておけば、本部は商材・原材料販売による利益を得ることも可能です。

それでは、フランチャイズ本部は、加盟者に対して商材や原材料を本部から購入するよう義務付けることは可能なのでしょうか。
この点は、多くのフランチャイズ本部経営者が疑問に思うポイントでしょう。

そこで、この記事ではフランチャイズ本部が加盟者に対して、本部からの商材購入を義務付けることができるのか、また注意すべきポイントはどのようなものか、という点について解説をしていきたいと思います。

なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

事業をフランチャイズ化する極意。FC展開の5つの手順と成功する3つのポイント

加盟者にフランチャイズ本部からの商材購入を義務付けるのはあり?

加盟者に対して、フランチャイズ本部からの商材購入を義務付ける行為は「あり」か、「なし」か。
結論からお伝えすると、一定の条件が揃えば「あり」です。

フランチャイズシステムでは、加盟者はフランチャイズ本部の商標を使用して経営することが認められます。一方、加盟者はフランチャイズチェーンの一員として経営する以上、本部が定めた決まりは守らなければなりません。

例えば、同じ看板を掲げたラーメンチェーンなのに、提供しているメニューの種類や内容、価格が異なれば、チェーンとして成り立ちません。

このように、フランチャイズシステムでは、フランチャイズチェーンのイメージを維持するために、本部から商材を購入する必要があるのであれば、本部から当該商材を購入することを加盟者に対して義務付けることも可能です。

フランチャイズ本部から加盟者に商材を提供するメリット

フランチャイズ本部からの商材購入を加盟者に義務付けることによって、フランチャイズ本部は様々なメリットを享受することができます。
具体的な例としては、以下の3つがあげられます。

①サービス品質を高い水準で維持できる

フランチャイズ事業の核となる商材や原材料を本部から提供・販売することにより、加盟店のサービス品質を高い水準で維持することが可能です。

例えば、ラーメン店の商品の肝となる「スープ」について、各店舗で仕込みを行っていたとしたら、店舗毎にラーメンの味にばらつきが出ることは避けられないと思います。
この点、本部が一括してスープを仕込み、それを加盟店に提供・販売するようにすれば、各店舗で最高品質のスープを提供できる=店舗毎の「味のブレ」を最小限に抑制することが可能です。

また、この場合、加盟店ではスープの仕込みに必要な手間が省けることになります。浮いた時間を顧客サービス改善に費やすことができることも大きなメリットといえるでしょう。

②ロイヤリティにつぐ収益減を得ることができる

フランチャイズ本部が加盟者に販売する商材は、当然本部の利益をのせた金額で販売します。そのため、フランチャイズ本部から加盟者に対して商材を卸すことで、本部はロイヤリティとは別の利益を得られるようになります。

商材にのせられたフランチャイズ本部の利益がいくらなのか、加盟者からはわかりません。そのため、ロイヤリティに比べると、加盟者の負担感が少ないメリットがあります。

例えば「ロイヤリティを5%」のケースと、「ロイヤリティ4%+商材利益1%」のケースでは、フランチャイズ本部が得られる利益は同じですが、加盟者の負担感は後者の方が少ないのです。

このように、フランチャイズ本部から加盟者に対して商材を販売することによって、本部は、加盟者の負担感が少ない利益を得ることができるようになるのです。

③将来的には、商材販売事業を新規事業として立ち上げることも

加盟者に対して商材を販売しているフランチャイズ本部によくある取り組みが、商材販売事業を新規事業として立ち上げるケースです。

先のラーメンチェーンの例でいえば、加盟店に卸す商材を他のラーメン店や一般消費者に販売する、といったようなものです。

通常、商材販売事業を立ち上げる時には、一から顧客を開拓していかなければなりません。しかし、当該商材を加盟者に卸すことが前提の場合、一定量の需要を確保したうえでの事業立ち上げとなるため、リスクを抑えて新規事業を立ち上げることが可能です。

環境変化の速度が急速に増している現代において企業が存続・発展していくためには、複数の事業の柱を構築しておくことが不可欠です。その観点から考えても、フランチャイズ化に伴いリスクを抑えて新たに商材販売事業にチャレンジするのは、有効な戦略といえるのではないでしょうか。

フランチャイズ本部から加盟者に商材提供する際の注意点

フランチャイズ本部から加盟者に対して加盟者に商材提供するメリットをお伝えしてきましたが、最後に注意点を確認しておきましょう。
注意点には次の2つがあります。

①根拠なくフランチャイズ本部からの購入を義務付ける行為は独占禁止法違反の可能性がある

フランチャイズ本部からの商材購入を義務付ける理由は、「フランチャイズチェーンのイメージを維持するため」です。
その目的の範囲内での制約は有効と考えられますが、その目的を超えた制約は独占禁止法違反となる可能性があるため注意が必要です。

例えば、先に紹介したラーメンチェーンが、スープに加え、ビールについても本部から購入することを義務付けたとします。
この時、加盟店の近所の酒屋では同じビールが本部よりも安い価格で売っていたとしたら、どうなるでしょうか。

本部が独自に製造しているビールであれば話は別ですが、通常は大手ビールメーカーからビールを仕入れているはずです。同じビールメーカーの商品であれば、どこで買っても品質は同じでしょう。

このような状況であれば、普通に考えれば近所の酒屋で買う方が合理的です。
にもかかわらず、フランチャイズ本部から不利な条件で購入しなければならないのであれば、その制約は明らかに加盟者にとって不利益しか生みません。

このような行為は、独占禁止法で定められている「優越的地位の乱用」に該当する可能性があり、独占禁止法違反と判断される可能性もあります

フランチャイズ本部からの商材購入を義務付けられるのは、正当な理由がある場合だけであることは認識しておく必要があるでしょう。

なお、フランチャイズシステムと独占禁止法の関係について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築時に知っておきたい法律②独占禁止法(フランチャイズガイドライン)

②卸販売をする以上、商材販売事業者としての責任が生じる

フランチャイズ本部から加盟者に対して商材を販売するということは、本部が卸売事業を開始するということでもあります。ですから、卸売業者が負っている責任を本部も負うことになるのです。

例えば、ラーメンのスープを加盟店に提供したとして、そのスープが原因で食中毒が発生したとすれば、当然その責任はフランチャイズ本部が負わなければなりません。

フランチャイズ加盟店とは言え、第三者に商材を販売することになり分けですから、一般的な卸売り事業者と同程度の管理体制は備えておかなければならないでしょう。

まとめ

以上、フランチャイズ本部から加盟者への商材販売について、考え方や注意すべきポイントをご紹介しました。

フランチャイズ本部からの商材提供には、本部にとっても、加盟者にとっても大きなメリットを生み出します。フランチャイズ展開をはじめる際には、中長期的視点からその必要性を検討し、少しずつでも必要な準備を進めていくとよいでしょう。

なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

事業をフランチャイズ化する極意。FC展開の5つの手順と成功する3つのポイント

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