自社のビジネスモデルを拡大するために、フランチャイズの仕組みを検討されている方も増えてきました。
新型コロナウィルス感染症終息の目処が立たず、店舗ビジネスが苦境に立たされていますが、ゲームチェンジが起きている今こそ、これから立ち上げる起業家には大きなチャンスとも言えます。
そういった起業家のために、今回はフランチャイズ本部立ち上げ時に必要な要素を記しておきたいと思います。
なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
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1.世界的金融緩和により資金調達のハードルは低下
本題に入る前に、現在の経済環境について触れておくと、世界的に株価はバブルの様相を呈しています。
株だけでなく、他の金融商品も同様です。
この現象は主要国の金融緩和政策による金融市場への資金流入であることは明らかです。
しかしこれらの資金は、本来であれば、新規投資やビジネス再構築、生産性向上など、事業のイノベーションに使われるべき資金です。
つまり事業への投資が追いつかず、金融市場に流れ込んでいるに過ぎません。
本来のあるべき姿で考えれば、これら流動性の高い資金は新たなビジネス構築にも使えるため、現状は資金調達のハードルが最も低い時代と言えます。
つまり本業が好調かつ資金調達が可能な事業家にとって、フランチャイズ展開への挑戦は、絶好のチャンスと言えるでしょう。
加えて、2度目の緊急事態宣言で閉店を余儀なくされる店舗や、正規・非正規問わず不本意に離職させられる方々も増えてくるでしょう。
かつて無いほど人材は豊富であるとも言えます。
ビジネスを構築する側とそれを活用して生業とする人の市場が、水面下では確実に拡大しているのです。
あとはそのマッチングだけが課題なのです。
なお、フランチャイズ加盟店の募集方法について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
2.フランチャイズ展開に必要な要素
まずフランチャイズ本部構築には、自社ビジネスがフランチャイズに向いているか否かの判断が必要です。
主な要素をまとめます。
①収益性が高く、加盟店の生活と本部の投資資金を獲得できるビジネスであること
フランチャイズは利益を分け合うビジネスであることが大前提です。
しかも商品やサービスの刷新は常に必要です。
加盟店利益を安定させながら、本部の今後の投資資金を確実に確保することが必要なのです。
② 一定のスケールメリットがあること
フランチャイズ展開することで、「店舗拡大によるコスト分散やコスト低減」「商品・サービスブランドの早期の認知拡大」が見込めることです。
なお既存ビジネスと異なる業態展開であっても、現有の自社資源を有効活用できるケースもあります。
③ 独自モデル、差別化を明確に説明できること
差別化は商品やサービスだけではありません。
情報・オペレーション・マネジメントの仕組みも、差別化の要素となり得ます。
④ ビジネスを可視化・言語化(マニュアル化)できること
ノウハウを可視化するからこそフランチャイズ展開が可能です。
自社のビジネスモデルを確実にマニュアル化できることは、フランチャイズ展開に絶対必要な前提条件です。
なお、フランチャイズ展開に必要なマニュアルの種類や作り方について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
⑤ 社会的意義
近年はここが大きな要素となってきました。
社会問題を解決することから始めなければ、顧客から支持されない時代となりました。
創業者が経営理念などで、自社の社会的意義を語ることが求められるでしょう。
これまでの定説として、フランチャイズ本部構築には3店舗の直営店を2年以上継続運営した経験値から、収益モデルを確立することが必要であるとされてきました。
今でも必要な考え方ではありますが、ビジネスや時代変化のスピードも格段に早まっているため、これからは短縮したスピード感で構築していいかもしれません。
50年近く前に開店したセブンイレブンの1号店は「加盟店」であったことは有名な話です。
堅牢なフランチャイズシステムを作り上げたコンビニといえども、立ち上げが直営店ではなく、加盟店と試行錯誤を重ねながら作り上げたビジネスモデルであったことを考えれば、その方が本部も本気で取り組めるのかもしれません。
なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
3.完璧なビジネスモデルなどできない
これまでの常識が明日には変わっている世の中です。
あらゆることを想定してビジネスモデルを構築することは重要ですが、完璧なものが出来上がるはずがありません。
1年後には大きく変わっている前提で作り上げることが必要です。
それだけ不確実性が高まっている時代なのです。
いつも変わらず安定した生活を送るためには、常に変わり続けなければ生活が維持できない時代です。
変わることを前提に、そのことも受け入れられる加盟者をビジネスパートナーとして選んでいただきたいと思います。
なお、フランチャイズ展開の成否を左右する加盟者の見極め方について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
まとめ
現在は、資金調達の面でも、人材確保(加盟店や店舗スタッフ)面でも、フランチャイズ本部構築にとって絶好のチャンスが到来しているといえるでしょう。
とはいえ、フランチャイズ本部構築には最低限必要な要素を兼ね備えておくことが求められます。
加えてこれまでよりも、環境の不透明さ、変化の速さを意識し、常に変わり続けることを前提に、ビジネスモデルを構築することも重要です。
以上を念頭に、ぜひ当社と一緒にフランチャイズビジネスを盛り上げていきましょう。