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時代とともに変化するフランチャイズシステム導入の目的

「目標店舗数は10店舗ほどなのですが、フランチャイズ展開できますかね?」

これは、先日弊社にフランチャイズ本部立ち上げのご相談で訪れた教育ビジネス事業を展開している企業経営者からいただいたご相談です。

ここ最近、弊社に訪れたご相談者やセミナー参加者とお話していると、上記のように、比較的小規模にフランチャイズ展開を進めていきたいと考えている経営者が増えているように感じます。

これは、従来のフランチャイズの常識ではあまり考えられないことですが、弊社では、このような小規模フランチャイズこそ、令和時代以降のフランチャイズのスタンダードになるのではないかと考えています。

その理由を明らかにするために、今回は、時代とともに変化するフランチャイズシステム導入の目的について考えてみたいと思います。

なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築の極意。5つの手順と成功する3つのポイント

1.従来のフランチャイズシステム導入の目的

2000年代までのフランチャイズ展開は、1,000店舗超、少なくとも100店舗超を目指すことが常識であり、それ以下しか店舗展開できない業態は「フランチャイズ化すべきでない」と考えられることが一般的でした。

なぜかというと、フランチャイズシステムを導入する目的が
加盟店の経営資源を活用してスピーディーに多店舗展開を進めることで、

  • 業界内での地位を確立すること
  • スケールメリットを享受すること

などであったためです。

2000年代頃までは、店舗を多数展開することが、消費者の信頼につながり、個店の売上アップにつながるという流れがありました。
店舗を展開すればするほど、チェーン全体の競争力が向上していったのです。

そのため、わざわざ時間とコストをかけてフランチャイズシステムを導入するのであれば、少なくとも100店舗以上展開しなければ意味がない、と考えられていたのです。

2.経済の成熟化によって従来のフランチャイズシステムの常識は崩壊した

しかしながら、2010年代を過ぎたあたりから、これまでの常識が通用しなくなってきています。

経済の成熟化が進む中、人々のニーズは多様化しています。
例えば、居酒屋業界で考えてみると、あらゆる需要に対応できる総合居酒屋が廃れつつある一方、串カツ専門居酒屋、餃子専門居酒屋、日本酒専門居酒屋など、専門性の高い業態が好調です。

しかし、専門性が高い業態は、商圏も広くなる傾向があります。ゆえに、国内に展開できる店舗数は総合居酒屋のように大衆を相手とする業態と比べれば限られてしまいます。
一世を風靡したいきなり!ステーキが失速したのも、商圏の広さを無視して店舗展開を優先してしまったことにより、同チェーン内でカニバリゼーションが発生したことが原因の1つでした。

さらに付け加えると、現代は、店舗数が増えれば顧客の信頼感が増す、という前提も変化しているように感じます。
むしろ、飲食や小売業界では「チェーン店に行くのはちょっと…」などとネガティブに捉えられることもあるほどです。

以上のことから考えると、現代の経営環境は、従来と比べて単一業態での店舗展開が難しくなってきていることがわかります。
従来のようにどのような業態であっても100店舗、1,000店舗超と大量展開を目指すフランチャイズシステムのあり方は、もはや時代遅れとなってきているのではないでしょうか。

3.令和時代のフランチャイズシステム導入の目的

それでは、令和時代のフランチャイズシステム導入の目的は、どのようなものであるべきなのでしょうか。

この点、弊社の考えは「環境変化の急変に対応できる経営体質を実現するために、フランチャイズシステムを活用する」と捉えるべきだと考えています。

フランチャイズシステムでは加盟者の経営資源を活用して事業展開することができるため、直営展開と比較して、本部は身軽で効率的な経営を実現することができます。

加盟店の収益責任は加盟者が負いますから、コロナ騒動のように急激な環境変化が発生し、店舗の売上が急減しても、人件費や家賃などの固定費を負担するのはあくまで加盟店です。

もちろん、本部も無傷というわけにはいきませんが、本部と加盟店で分散して負担を負うわけですから、直営展開の時と比べれば、その影響は少なくすることができます。

現代は、情報化、国際化、技術革新などの影響により、急激な環境変化がいつ起こるかわからない時代です。いま、どんなに順調な経営をしていても、明日どうなるかわからないのです。
コロナ騒動は、このことを明確に示しました。

これらのことを踏まえると、「直営展開と比べて環境変化への対応力が高まる」というフランチャイズシステム導入のメリットは、まさに現代の経営に不可欠な要素といえるでしょう。
これが、店舗ビジネスを営む企業に弊社がフランチャイズシステム導入を推奨している理由です。

なお、フランチャイズ展開することによって企業が得られるメリットについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ化のメリット・デメリットや変化するFC展開のあり方とは?

まとめ

今回は、時代とともに変化するフランチャイズシステム導入の目的についてご紹介しました。

環境変化の急変は、今後も発生することは間違いありません。
企業が存続発展していくためには、経営環境の変化を乗り越えられる経営体質を構築しなければなりません。

店舗ビジネスを営む企業にとっては、フランチャイズシステムを導入することは、環境変化への対応力を身に着ける有効な手段になります。
これからの時代は、目指す店舗数が数店舗規模であろうとも、フランチャイズシステムを積極的に導入していくべきではないでしょうか。

現代の経営環境を考えれば、100店舗、1,000店舗超の展開を目指すフランチャイズ展開のあり方は、以前と比べると成功確率は間違いなく低下しています。
これからフランチャイズシステムを活用して100店舗、1,000店舗超の展開を目指すのであれば、そのことを十分に理解したうえで「それでもフランチャイズ展開をする!」と覚悟をもって取り組むべきでしょう。

弊社としては、フランチャイズ展開のスタート時には投資を抑制して小さくはじめ、フランチャイズ展開の進捗を見ながら段階的に大規模チェーンに発展させていくことを推奨します。

なお、小さくはじめて、段階的に大きく育てる令和時代のフランチャイズ展開にあり方について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

小さくはじめて、大きく育てる!フランチャイズ本部構築の進め方

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