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これからの時代に中小企業がフランチャイズ導入を求められる理由

「新型コロナの影響で大打撃をうけましたよ。これからの店舗ビジネスのあり方はどう変わっていきますかね…」

これは、先日弊社にご相談に訪れた整体チェーンを営む経営者からいただいたご質問です。

新型コロナ騒動により、店舗ビジネスを営む企業の大半は、大きなダメージを受けることになりました。
これまでも、業界単位でみると急激な環境変化が起きることはあったわけですが、これほど甚大かつ広範囲にわたり影響を及ぼした事例は過去にありません。
店舗ビジネスに限らず、ほぼすべての経営者が、今後の事業のあり方を模索していることでしょう。

特に、これまで「顧客が店舗に来店すること」を前提としてきた店舗ビジネスにおいては、この機会に今後の事業のあり方を真剣に考えていかなければなりません。

弊社でも、様々な店舗ビジネス経営者からの相談を受ける中で、今後の店舗ビジネスはどうあるべきか、常に考え続けています。
そしてその一つの結論として、今後は中小規模の企業においても“フランチャイズシステム”を活用していくことが求められるのではないか、と考えました。

今回はその理由をご紹介したいと思います。

なお、これからの時代におけるフランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築の極意。5つの手順と成功する3つのポイント


1.新型コロナ問題の本質

ここで気を付けるべき点は、問題の表面だけでなく、本質を踏まえて今後のあり方を検討することです。

新型コロナ問題は世の中にかつてない影響を与えましたが、ここから学ぶべきものは、「情報化と国際化がもたらす急激な環境変化リスク」の存在なのではないかと考えます。

中国の一都市で発生したといわれる感染症が、またたくまに全世界に広がり、このような全世界を巻き込む騒動に発展したのです。
仮に、情報化や国際化が今ほど進んでいなければ、コロナ問題は世界へ拡散することはなかったでしょうし、仮に拡散したとしても、その速度はこれほど早くはなかったでしょう。

情報化と国際化がもたらした急激な環境変化は、今回が初めてではありません。
2008年に発生したリーマンショックが全世界に飛び火したのも情報化や国際化の影響が大きいでしょう。
また、業界単位でみてみれば、例えば2000年代初頭に発生したBSE問題により、焼き肉店等の牛肉を取り扱うビジネスが壊滅的なダメージを受けたのも、同種の問題といえるでしょう。

まず経営者が認識しなければならないことは、情報化や国際化が進む現代では、これまでにない環境変化が起きるのが当然の時代である、ということです。
この点を踏まえて、目先の新型コロナ対策だけでなく、中長期的に事業を継続・発展させていくための準備をしていかなければなりません。

2.これからの時代に企業が存続・発展していくための条件

それでは、これからの時代に店舗ビジネスに求められることは何かというと、それは以下の2つではないかと考えます。

①急激な環境変化が発生しても影響を受けにくい事業モデルをつくる
②収入が激減しても当面は事業を継続できる財務基盤をつくる

急激な環境変化の発生が避けられないと考えた場合、企業としては上記2つを満たして、リスクに備えることが大切です。
ただし、②については短期的に実現できることではありせんので、より優先順位の高いものは①となります。

情報化や国際化が進む現代は「環境の激変」が起きる時代です。
店舗ビジネスでこれからの時代を生き残るためには、フランチャイズ本部が環境変化の影響を受けにくい事業モデルを構築することが不可欠です。

そして弊社では、店舗ビジネス企業が「環境変化の影響を受けにくい事業モデル」を構築するための一つの手段として、フランチャイズシステムを導入することが非常に有効な手段になるものと考えています。

なお、フランチャイズシステムを導入することでフランチャイズ本部が得られるメリットについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ化のメリット・デメリットや変化するFC展開のあり方とは?

3.これからの時代にフランチャイズシステムの導入が不可欠な理由

フランチャイズシステムの導入によってなぜ本部は環境変化の影響を受けにくい事業モデルを構築できるといえるのでしょうか。
その理由をざっくりまとめると以下のように整理することができます。

(1)フランチャイズ本部の固定費を圧縮できること

まず1つ目の理由は、本部の固定費負担を圧縮できることです。

フランチャイズ加盟店の家賃や人件費といった固定費は、加盟店が負担します。
そのため、仮に急激な環境変化でチェーンの売上が0になった場合でも、加盟店に関していえば、本部にキャッシュアウトが生じることはありません。

チェーンに生じた損失を本部と加盟店で分散して負担することとなるため、本部単体で見れば、環境変化による影響を抑制することが可能です。

(2)利益率の高い安定収益が得られること

2つ目の理由は、利益率が高く、かつ安定した収益を得られることです。

前述のとおり、加盟店舗については本部の固定費が無くなる中でも、ロイヤリティ等の収入は一定程度得ることができるため、本部の利益率は上昇します。
急激な環境変化により加盟店の売上が減少すれば、本部の得られるロイヤリティは減少することになりますが、固定費がない分、直営店のように赤字になるリスクがないのです。

(3)危機との向き合い方が異なること

3つ目の理由は、人生をかけた加盟店経営者の危機との向き合い方は、雇われ人材とは絶対的に異なることです。

急激な環境変化によって苦境に立たされた時、自分の人生がかかっている経営者であれば事業存続のために死に物狂いで対応します。
生き残るためであれば、どのような手段であっても躊躇せず実行することでしょう。

直営店とは異なり、人生をかけた経営者集団が全力で危機に立ち向かっていくわけですから、直営展開時と比べて環境変化の影響を軽微に抑制できることが期待されます。

(4)フランチャイズ本部、加盟店双方で国や自治体の支援制度を活用できること

4つ目の理由は、国や自治体の支援制度をより有効活用できることです。

今回の新型コロナ危機下では、国や自治体が様々な企業支援を実施していますが、ほとんどの支援制度には「上限」が設けられていました。

例えば、売上が大きく減少した企業に支払われる持続化給付金の上限は、法人の場合が200万円に設定されていました。
1店舗のみの展開で補助金が200万円給付されれば大きいですが、仮に30店舗展開している企業に対して200万円の給付では、1ヵ月分の家賃にも充当することができません。

今回の危機下において導入された支援策は、規模が小さければ小さいほど手厚い支援を受けることができたのです。
その結果、コロナ騒動下においては、本部の展開する店舗数が多ければ多いほど、大きなダメージを受けることになりました。

その点、フランチャイズ加盟店は本部とは異なる事業体となりますから、本部とは別に、国や自治体の支援制度を活用することが可能です。
前述のとおり、本部のダメージを抑制しつつ、チェーン全体ではより有効に支援制度を活用することができるわけです。
環境変化への対応力も当然に増すことになります。

(5)別の事業の柱を低リスクで立てられること

5つ目の理由は、フランチャイズシステムを活用することで、リスクを下げて新しい事業を立ち上げることができる点です。

最近よくある例として、フランチャイズ展開を進める本部が、その立場を利用して別事業を立ち上げることがあります。

よくある例でいえば、
・チェーンで使用する商材を他の企業や消費者に販売する商材販売事業
・チェーンの開業支援システムや教育システムを用いて小規模な同業者をサポートするコンサルティング事業
などがあげられます。

これらは、加盟者へ商材・サービスを提供することを前提とすることで、一定量の需要を確保したうえで、チェーン関係者以外の第三者に対しても販売を開始する流れで進められています。
加盟店への提供によって最低限の需要を確保したうえでの展開となるため、新規事業としてのリスクを抑制することができるのです。

現在運営している店舗ビジネス以外に、複数の事業の柱を立ち上げることができれば、当然、環境変化への対応力も増すこととなります。

まとめ

以上、これからの時代に中小企業がフランチャイズシステム導入を求められる理由をご紹介しました。

新型コロナ問題により、情報化と国際化が進む中で企業が求められていた課題が改めて顕在化されました。

情報化や国際化は今後ますます進んでいくことでしょう。
そうなれば、急激な環境変化が起きる頻度も当然に増えていくことが考えられます。

コロナ後の世界は、今回の問題をきっかけとして、環境変化に左右されにくい事業モデルを築き上げた企業が生き残る時代になるのではないかと思います。
店舗ビジネスにおいてもこれまでの常識にとらわれず、チャレンジをしていく必要があるでしょう。

フランチャイズ展開というと、これまでは100店舗、1000店舗と大規模展開を志向する企業がとるべき方策と認識されてきました。
しかしながら、経済が成熟化し、顧客ニーズが多様化する現代では、従来のような大規模チェーン自体が成り立ちにくくなっています。

今の時代に合わせて、フランチャイズシステムを賢く活用する。
これが、これからの時代に店舗ビジネスが生き残るための一つのあり方なのではないかと考えます。

なお、現代の経営環境を踏まえ、リスクを抑えたフランチャイズ展開のあり方について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

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