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小さくはじめて、大きく育てる!フランチャイズ本部構築の進め方

「フランチャイズ展開をはじめるにあたり、初期段階でどこまで仕組みを整えるべきでしょうか」

これは、関西である飲食チェーン店を展開している企業の経営者からいただいた質問です。

その経営者は、複数のコンサルティング会社にご相談をされたようですが、いずれも「はじめからフランチャイズ本部として必要な機能を整備しておくべきしょう」と助言をされたとのことでした。

これはごもっともなことで、当社としても、可能であればはじめからフランチャイズ本部に必要な仕組みをすべて整備した上で、フランチャイズ展開を開始することが望ましいと考えています。

ただし、それがどの企業にも当てはまるかというと、必ずしもそうとはいえません。
その理由は、フランチャイズ本部の仕組み構築には相当な資金が必要で、事業規模がそれほど大きくなく、資金的な余力に乏しい本部にとって、加盟店確保が見通せない状況での投資はリスクが大きすぎるからです。

仮に途中で資金ショートを起こしてしまえばそれまでですし、仕組みの構築が完了したとしても、その後の加盟店開発が順調に進まないことも十分に考えられます。
また、そもそもそこまでの大規模展開を想定していないケースもあるでしょう。

こう考えると、「初期段階でどこまで仕組みを整備すべきか」という質問への回答は
「企業の置かれている状況によって変わります」という以外にありません。

FC本部構築にはまとまった投資が必要

フランチャイズ本部には様々な仕組みや機能が求められます。
一例としては以下のようなものが挙げられます。

  • 加盟店開発機能
  • 業態・商品開発機能
  • 店舗運営サポート機能
  • SV(スーパーバイザー)機能
  • 教育訓練システム
  • 物流システム
  • 情報システム
  • 立地評価・売上予測システム
  • 店舗設計・建築体制
  • 開業支援システム
  • 各種マニュアル(加盟店向け、本部向け)
  • etc…

これらを整備していくには、相応の時間とコストがかかります。
経験則で申し上げると、少なくとも経営者含めた3名体制で、2~3年間程度の期間は必要です。
人件費を1人400万円/年で考えたとしても、人件費だけで年間1000万円を超えるコストがかかることになります。

また、上記システムや機能を構築していく為には、当然FCシステムに詳しい専門家のサポートも必要となるでしょう。
サポート料金は依頼するコンサルティング会社によって異なりますが、専門性が高い分、相応の金額がかかることを覚悟しなければなりません。

たしかに、後々のトラブルなどのリスクを考えると、初期段階とはいえ、できる限り必要な仕組みや機能を整備しておいた方がよいことは間違いありません。
しかしながら、加盟店を獲得できるか、不確定な状態でそれだけの投資するのは、リスクの高い行為であることも疑いようのない事実です。
したがって、この両面のバランスを踏まえて、最終的な意思決定を行うことが大切です。

既存事業が盤石で、一千万単位の投資に失敗したとしても耐えられる経営体力を持つ企業は、フランチャイズ展開の初期段階から必要な仕組みや機能を整備するとよいでしょうし、そうでない企業は、必要最低限の仕組みでフランチャイズ展開を開始し、あとから段階的に仕組みや機能を充足していく方法が望ましいものといえます。

小さくはじめて、大きく育てるFC本部構築の流れ

とはいえ、フランチャイズ展開の初期段階で一千万円級の投資を行える企業はよっぽどの大企業でしょうから、基本的には「必要最低限の仕組みでフランチャイズ展開を開始し、あとから仕組みや機能を充足していく」形になるものと思います。

そのような場合、当社では以下のステップでフランチャイズ本部構築を進めていくことを推奨しています。

ステップ1:儲かる業態の開発

まずは直営店で利益の出る業態を開発し、3店舗を2年程度運営して実績をつくる
フランチャイズ展開を目指すブランドを商標登録する

ステップ2:必要最低限の仕組みや機能を整備する

フランチャイズシステムの核となる「研修プログラム」「FCマニュアル」「SV機能」「FC契約書(法定開示書面含む)」を整備する

ステップ3-1:トライアルでFC展開を開始する

第三者ではなく、従業員や経営者の友人、知人等、一定の信頼関係があり、トラブルリスクの少ない人を対象に、トライアル的にフランチャイズ展開を開始する。

ステップ3-2:第三者加盟に向けたFC展開の準備をする

トライアルの様子をみつつ、第三者向けフランチャイズ展開を進めるうえで整備できていない仕組みや機能を充足していく。

ステップ4:第三者加盟に向けたFC展開を開始する

加盟店開発機能や業態(商品)開発機能などが整った段階で、第三者を対象としたフランチャイズ展開を開始する。
また、フランチャイズ本部としての仕組みや機能は継続的に追加、再構築を進める

まとめ

以上、小さくはじめて、大きく育てる フランチャイズ本部構築の進め方 をご紹介しました。

従来のフランチャイズシステムでは、1000店舗超を目指すことが常識であり、フランチャイズ展開の初期段階から大きな投資をしてフランチャイズシステムを整えることが一般的でした。

しかし、現代では1000店舗を超えるようなチェーンは生まれにくく、逆に中小規模のチェーン店が増加している傾向にあります。

フランチャイズ展開のあり方も時代の流れにあわせて変化しています。
これからのフランチャイズ展開は「小さくはじめて、大きく育てる」が基本的な考え方になるのではないでしょうか。