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中小FC本部にとって重要なSVによる加盟店指導とSVの育成方法とは

SVが加盟店を指導していると様々な課題が見つかります。
チェーン全体としての課題や店舗運営の課題、加盟店の悩み等、多岐に渡ります。

それらの情報をリアルタイムで本部が集約し、チェーン全体の改善に活かすことが、FC本部の持続的な事業活動の鍵となります。
そこには次の事業発展の種が眠っているとともに、加盟者の生の声を見逃すことは、FC本部にとって大きなリスクとなるからです。

今回はSVによる加盟店指導の重要性と、加盟者の声を拾うことのできるSVの育成方法について触れていきます。

SVレポートの作成と役割

大手CVSチェーンでは、SVが加盟店訪店時に必ず「SVレポート」を作成し、上司に報告します。
今ではデジタル化されている部分も多いですが、数年前までは複写式のSVレポートを活用していました。

SVレポートは、1枚目:本部控え、2枚目:SV控え、3枚目:加盟店控え、というように複写式になっており、SVの指導履歴を3者で共有できる仕組みです。

FC本部では、このレポートを週1回のSV会議で共有し、業績向上や課題解決に効果のあった事例を他のSVに横展開します。
またレポートには、訪店日時や加盟者のサインもあるため、SVの訪店歴を確認することで、臨店時は原則直行直帰のSVの勤怠管理や、記載内容について上司が部下指導する際のマネジメントツールとしても使っています。

その他にもSVレポートの重要な役割に、「SVの指導履歴を半永久的に残し、本部の財産として蓄積する」意味があります。
加盟店とのトラブルが裁判等に発展したときに、SVの指導履歴の証拠とするためです。

仮に加盟店と本部でトラブルになると、加盟店側からは例外なく「SVが指導してくれなかった」「指導が適切でなかったから売上や利益が得られなかった」と主張されるからです。

SVレポートの中身

SVの加盟店への指導は、ルーティン業務から突発的な業務まで様々ありますが、概ね以下の要領でSVレポートを残します。
A) Q S Cチェックシート
毎週、基本的な店舗オペレーションを確認するレポート。
店舗運営におけるあるべき姿と実体の確認による改善指導ツールです。

B) 新商品・新オペレーションの導入指導
新商品の展開方法、新オペレーションの導入手順を示し、店舗の活性化を図るものです。

C) 店舗ごとの課題レポート
店舗ごとに異なる課題を抽出して指導するためのものです。
お客様からのクレームや、店舗スタッフへの直接指導、シフト作成方法、売場展開方法などです。

D) 決算資料指導レポート
売上、利益、在庫、資産、借入金、中期事業計画等、経営を数値面から指導するためのツールです。
基本的に月次で使用します。

これらの内容をSVレポートに記載し、SVによる加盟店への指導内容を、それぞれ蓄積していくのです。

FC本部のSVレポートの活かし方

「SVレポート」の本部控えには別途、上司への報告欄も設けられており、指導内容から考えられる課題を報告し、具合的な改善策を考えるきっかけとします。

報告内容の例
①指導に対する加盟者の反応
②加盟者との対話の中から気づいた点
③オーナー以外のスタッフからもたらされた情報
④店舗周辺のマーケット情報
⑤改善提案、アイデア
⑥加盟者からの生の声

加盟店への指導内容は、概ねSV会議で決まった施策を店舗へ落とし込むことが業務であるため比較的定形化されています。
しかし上司への報告内容は、現場で加盟者と対峙したSVにしか判りません。
実はSVレポートにとっては、ここが最も重要なのです。

加盟者側からすると、本部には直接言いづらいが、気心のしれたSVになら相談してみようといった意向も働きます。
SVと加盟者の信頼関係が醸成されていれば、適切なタイミング、適切な表現で、本部に思いを伝えて欲しいと考える加盟者も多いものです。
加盟者と本部間の緩衝材として機能できる点も、SVの大きな存在意義と言えます。

加盟者からの生の声は、お客様と接する現場の声であり、加盟者のモチベーションやトラブル、離脱リスクを早期に掴んで対策を打つために重要となります。
FC本部の管理職にとって最も欲しい情報なのです。
これらの声を収集するには、やはり本部にとってSVの存在が重要なポジションと言えます。

時代変化のスピードは年々早まっています。
週1回のSV会議で現状を確認し、対策を講じるとなると最低でも2週間の時間を要します。
これからの時代、訪店時にあらゆるデバイスを使って、リアルタイムでSVレポートが完成するようなツールやシステムが必要となるでしょう。

SVレポートの精度にはバラツキがある

売上や利益、販売数といった定量情報は、POS情報を確認すればリアルタイムで把握できます。
一方、現場の生の声といった定性情報は、事実の捉え方や感じ方の違いによって、SVレポートの精度にバラツキが発生します。

そのため加盟者や店舗を見る視点、加盟者の意図の感じ方、商売上の肌感覚など、SV全体のスキルを高める教育が必要となるのです。
FC本部が認める一定のレベルまでスキルを高めなければ、SVレポートの精度も高まりません。

具体的なSV教育の手法として、「SVマニュアルの整備」「SV基本スキルの教育訓練」「管理職の同行訪店」「管理職の単独訪問」「SV会議でのOJT」「優秀なSVの事例共有」等が採られます。
加えて、FC本部の経営トップはじめ管理職の共通認識として、「SVを育てる工夫・風土を醸成する」ことが、FC本部を強い組織にすることに繋がります。

優秀なSVが増え、スキルが底上げされてくれば、自ら改善策を考えるSVが出始め、それが自動的に横展開され、組織としての無形価値が蓄積されていくのです。

まとめ

大手FC本部にとっても、SVのスキルアップのための教育方法は、常に上位の課題となっています。
業態や商品・サービスを進化させるのと同時に、SVスキルも進化させていかなければ、加盟店への有効な情報提供や経営指導ができなくなってきたからです。

中小FC本部としても、今一度SV育成の重要性を認識するとともに、自社が必要とする一定のレベルまでどのようにSVを育てるか、その方法を考えて実行することが、FCビジネスを継続的に行う上で必要と言えるでしょう。