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中小FC本部立ち上げ時に必要な物流機能の考え方

FC本部を立ち上げ時には、具体的にどのような本部機能や組織を構築すべきか、悩まれることと思います。
もちろん業種業態によって詳細は異なりますが、今回は、最近特に時代的にも社会的にも要請される「中小FC本部に必要な物流機能」について触れていきます。

小売業、飲食業における物流機能の活用

一口に物流といっても、業態によって必要とする物流機能が異なるため、ここでは2つの業種を比較しながら、FC本部に必要な物流機能について確認していきます。

(小売業)
他の業態と比べて物流機能が最も重要であり、さらに仕組みの構築に時間もコストもかかるのが小売業です。
なので、FC本部としては「最初に物流機能・組織を作り上げる」必要があります。
店舗に商品が並ぶための重要な役割であり、商売を始める上での土台となる機能です。

小売業に必要とされる物流には、主に以下のような機能があります。
①商品受発注機能
②商品保管機能
③ピッキング機能
④店舗、物流センター、ベンダー、メーカー間での情報共有機能
⑤効率的な配送機能

当然ながら、これら全てを自社で構築することはできません。
大手小売チェーンにおいても物流のほとんどは社外の資本や設備を活用しています。

しかし店舗へ納品するまで、どの機能を効率よく活用するのかは、自社を中心に協力会社と一緒に考えます。
店舗を起点とした仕組み構築の主導権は、絶対に他社へ譲りません。

つまりFC本部として重要なのは、物流会社に丸投げするのではなく、ビジネスモデルのコンセプトを実現するために「お客様や店舗にとって何が必要なのか、どう変化に対応していくのか、どうすればコストが削減できるのか」といった議論のイニシアチブを握り、店舗にとって必要な機能を実現させることです。

(飲食業)
飲食業やサービス業における物流機能の整備は、小売業ほど重要ではないかも知れません。
しかしセントラルキッチンによる加工作業がある場合は、やはり物流機能が重要となります。

個店ごとに店内調理する業態であれば、協力会社の物流機能の活用を検討してもよいでしょう。
最近は国内マーケットの中でも優れた物流機能を持った企業がたくさん生まれてきました。
それらの優れた資源を活用することで、自社の物流機能を補完できるからです。

例えば、漁港や農地からの直送を手がけるような、物流機能に特化した企業と手を組むこともできるでしょう。
これらの企業にはベンチャー企業も多く、出荷先・販路先を探しています。
FC本部の出店する地域が特定されているのであれば、こういった企業と一緒に物流システムを構築していく手段も有効なはずです。

これまで食材流通においては、古くから中央卸売市場内の仲買業者を経由する流通ルートが主流でした。
しかし今では、産地直送を強みとした市場外取引が増えてきています。
新しい物流モデルとして、これらの業者と手を組んで、既存の設備や機能を活用するのも一つの手段と言えます。

物流機能の進化により躍進している小売企業

以下の企業は、物流機能の進化により業績好調な小売企業です。
提供している商品やビジネスモデルが優れていることは当然ですが、自社に合った物流機能を充実させています。
・Amazon
・ユニクロ
・楽天
・モノタロウ
・ニトリ
・ワークマン
・セブンイレブン

例えばセブンイレブンでは、物流もマーケティングの一環として、お客様のニーズや店舗オペレーション機能に合わせた物流体制を前提としています。

具体的には3000品目以上の商品を、効率よく運ぶための適正な便数で、お客様が買い求めるタイミングで店頭に並ぶよう、納入企業の商品を共同配送し、納品時間を「何時に店舗へ商品が届くか」の視点で決めています。
そのために店舗の出店と物流拠点はセットでドミナント展開します。

その他にも、商品の鮮度と味を高いレベルで維持するために、食材の出荷(農家)から店頭に並ぶまで、同じ温度帯で運ぶコールドチェーンを確立しています。

さらに店舗での納品作業を効率化するために、納品用什器を工夫し、納品単位を「1」まで下げるとともに、納品量・納品作業を平準化させるために発注・納品頻度を増やすことで、店舗在庫を極限まで下げる工夫をしています。

このように単純な自働化やデジタル化だけではなく、お客様・店舗を起点とした物流機能を考え抜いている点が優れているのです。
上記の業績好調な企業は、店舗への納品だけでなく、消費者の手元へ商品が届くまでを物流として捉え、一貫した仕組みを構築することで、結果的に消費者の支持を得ている企業と言えるでしょう。

まとめ

近年では、物流機能の発展スピードが上がっています。
元々は「モノを運ぶ」というリアル機能であった物流が、デジタルとの融合で年々進化しています。

新幹線や航空便を活用した産地直送かつ鮮度抜群商材を扱う企業や、ウーバーイーツや出前館といった企業の躍進もその一つです。
物流機能は単にモノを運ぶだけでなく、デジタルを組み込むことで、今後さらに社会システムを変えていくことでしょう。

その他には、昨今増している災害リスクも見逃せません。
物流が止まれば全ての機能が止まります。
システムと連動した事前準備が早期再開の鍵となります。
やはり物流機能がチェーンの土台なのです。

以上のことから、物流を制するものが市場を制すると言っても過言ではありません。
中小FC本部としても、自社のコンセプトを実現するために必要な物流機能は何か、協力企業にはどのような組織・機能を求めるのか、実際にどんな企業と協業できるのか等を考えておく必要があるでしょう。