自分のお店の売上が良くなってくると、「フランチャイズ化してみたい」という考えが出てくるかもしれません。
とはいえ、専門知識が必要ですし、自分のお店もあって難しいことを勉強している時間がなかなか取れない方も多いはずです。
いろいろなサイトを見てみても、専門用語が多くてとても難しく感じるかもしれません。
そんな方のために、専門知識がなくてもフランチャイズ展開(多店舗化ともいいます)を実現させるためのステップを7つにまとめました。
7ステップをお話する前に、フランチャイズの意味やメリットやデメリットを正しく確認しておきましょう。
フランチャイズの意味
フランチャイズとは、フランチャイズ本部(フランチャイザー)とフランチャイズ加盟者(フランチャイジー)が一定の条件で契約を結ぶことで、フランチャイズ加盟者がフランチャイズ本部の看板を掲げて営業し、商品やサービス、システム、ハウツー、ノウハウが使用できる契約・仕組みのことをいいます。
ちなみにここでは、あなたの会社が「フランチャイズ本部」となり、あなたのお店に加盟する人(または会社)が「加盟店」となります。
フランチャイズ加盟店は、フランチャイズ本部に「加盟金」や「毎月のロイヤリティ」を支払うことで、フランチャイズ本部の看板、商品やサービス、システム、ハウツー、ノウハウを活用することができます。
フランチャイズ本部のメリット
フランチャイズ本部側のメリットは大きくわけて3つあります。
【メリット①】ブランドの展開 【メリット②】コスト削減 【メリット③】売上・利益の増加 |
【メリット①】ブランドの展開
あなたのお店のブランド(看板や店舗名)が他の地域に増えることで、加盟店が増えるごとにブランド力がアップします。
【メリット②】コスト削減
あなたのお店を自社で他の地域に出店する「直営」の場合、土地代や店舗建設費、人件費や研修するための費用(オペレーションコスト)をすべて自社で出資しなければいけません。
しかし、フランチャイズの仕組みを取り入れることによって、これらの費用の一部を加盟金や開業準備金、内装工事費用などの名目で加盟者に拠出してもらうため、自社が出資する初期費用を安く抑えることができます。
また、原材料を仕入れる必要がある業種(飲食店など)の場合、複数店舗があると大量に仕入れることができるので、仕入れコストを抑えられるメリットもあります。
【メリット③】売上・利益の増加
フランチャイズ本部は、「加盟金」や「毎月のロイヤリティー」が基本的な売上となります。
しっかりとフランチャイズ加盟店が売上を上げていくことで、フランチャイズ本部の売上、そして利益が増加します。
フランチャイズ本部のデメリット
フランチャイズ化を検討する上で、本部側のデメリットもよく理解しておく必要があります。
注意すべきデメリットは2つです。
【デメリット①】加盟店のミスがブランドイメージ低下に繋がる 【デメリット②】指導のための人員・時間・労力がかかる |
【デメリット①】加盟店のミスがブランドイメージ低下に繋がる
本部直営のお店ではなくても、加盟店は本部の看板を掲げて営業しています。
本部は加盟店側にマニュアルを展開させていますが、その裁量は各加盟店によるものなので、サービスや提供内容に差が出てきてしまう場合があります。
また、加盟店側が顧客とトラブルになった際には、本部の看板を掲げて営業していることから、本部のブランドイメージが低下する恐れもあります。
次の「デメリット②」にも繋がりますが、本部は的確なアドバイスや研修、指導への時間と労力を惜しまないようにすることで、このデメリットが生じる確率を下げることができます。
【デメリット②】指導のための人員・時間・労力がかかる
本部と加盟店はパートナーです。
そのため、パートナーである加盟店の売上が上がるために、そして顧客の満足度を一丸になって高めていくためには、「指導・アドバイス」へのコストを惜しんではいけません。
このデメリットを事前に回避する1つの考え方として、「加盟店」になっていただくパートナー選びの段階から、相手をよく見極めていくことが無駄なコストやブランドイメージを低下させないことへ繋がっていきます。
なお、フランチャイズ本部がパートナーに選ぶべき人・選ぶべきではない人について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
フランチャイズ化までの7ステップ
フランチャイズ化のメリットとデメリットを正しく理解していただいた上で、フランチャイズ化までの7つのステップについて解説していきます。
まずはステップをイメージしやすい簡単な言葉でまとめました。
【ステップ1】自分のお店の利益を上げる 【ステップ2】ハウツーを明確にしておく 【ステップ3】独自の成功ノウハウを構築する 【ステップ4】異なる立地で実験する 【ステップ5】根拠のある事業計画書をつくる 【ステップ6】パッケージ化する 【ステップ7】集客・宣伝をする |
ステップを1つずつ解説していきます。
ステップ1:自分のお店の利益を上げる
フランチャイズ本部となる自分のお店がうまくいっていなければ、フランチャイズ化はうまくいきません。
パートナーとなる加盟店のためにも、まずは自分のお店の利益を上げることに一番のエネルギーを使ってください。
ステップ2:ハウツーを明確にしておく
ハウツーというのは、「誰がやってもその結果になる」というものです。つまり、これが「マニュアル」になります。
フランチャイズ化するためにはマニュアルが必須です。
フランチャイズ加盟店側のメリットでもある、その業界の知識や経験、技術がまだない初心者の方であっても、そのマニュアル通りに実行すれば実現できる内容のマニュアルを作る必要があります。
そのため、日頃からマニュアルづくりを意識してお店の経営を行なってください。
ステップ3:独自の成功ノウハウを構築する
「ハウツー」が「誰がやってもその結果になる」というものに対し、ノウハウとは、「独自の戦略」や「オリジナリティ」です。
「なんとなくやっていたらたまたまうまくいった」では、再現性がありませんし、成功の理由や失敗の理由すら分からない状況です。
似たような業界や競合店と自社では何が違うのか、どんな戦略でどんなオリジナル性があるのか、これらが「ノウハウ」になります。
このノウハウが「ステップ5」の「根拠のある事業計画書」でも活かせますし、「ステップ7」の集客でのアプローチにもなります。
ステップ4:異なる立地で実験する
加盟店がマニュアル通りに実行したところで、提供する商品やサービスは共有できたとしても、お客様(顧客)を共有することはできません。
そのため、本部がうまくいっている理由が果たしてノウハウなのか、ビジネスモデルなのか、それとも立地やタイミングなのかをテストする必要があります。
このテスト結果を「ステップ5」の事業計画書に入れ込むことで、根拠のある事業計画書にもなります。
ステップ5:根拠のある事業計画書
事業計画書を作っていくことになりますが、ここではいかに根拠を提示できるかが重要なポイントになってきます。
そしてハウツーで「誰にでも実現できる内容」であることを伝え、ノウハウで「オリジナリティや成功の裏付け」を伝えます。
「ステップ4」のテスト結果も用いることで、数字的な根拠を事業計画書に入れ込むことができます。
ステップ6:パッケージ化する
パッケージ化というのは、1つ1つバラバラのものを1つの商品としてまとめるという意味合いです。
つまり本部から加盟店へ、「加盟店になるまでの流れ〜加盟店が利益を上げる」までの一連の流れをパッケージ化し、それをもとにパートナーを見つけていくイメージです。
本部と加盟店が結ぶ契約書(約束事)なども、ここでしっかりと準備をしていきます。
ステップ7:集客・宣伝をする
マニュアルが完成し、テストも成功し、パッケージ化ができたらいよいよ集客・宣伝です。
今の御時世であれば、インターネットでの集客や宣伝が一般的で、少ない労力で広い周知が期待できます。
また、フランチャイズ加盟店を募集する専門のサイトもあります。
インターネット広告を使う場合には、「業種+フランチャイズ」や「業種+独立」といったキーワードで広告を出し、フランチャイズに興味がある人への訴求していくことができます。
フランチャイズにまだあまり興味を持っていない人へは、フランチャイズのメリットや手軽さなど、独立したい人が抱えやすい悩みを解消する目的で宣伝を行なっていくのがオススメです。
なお、フランチャイズ本部がフランチャイズ加盟店を集客する際の広告戦略について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
専門家にお任せください!
専門知識がなくてもわかる「フランチャイズ化までの7ステップ」とフランチャイズ本部のメリットとデメリットについて解説してきました。
とはいえ、フランチャイズ化するためには、本部と加盟店が結ぶ契約書の作成、マニュアルの作り方、そして「独自のウリの見つけ方」など、専門家の力を借りることで無駄なコストを使わず、スピーディ且つ正確に構築していくことができます。
また、専門家と二人三脚になることで、自分自身(自社)では気付いていないノウハウやウリに気づくこともできるはずです。
解決しておきたいお困りごとや、より詳しくフランチャイズ本部の構築についてお知りになりたい場合は、ぜひお気軽に私共にお問い合わせください。