子供の教育のあり方、新しい教育プログラムやコンテンツを開発する企業が出て来ています。時代に沿ったニーズを掴みつつ、教育手法も今の大人たちが体験してきた塾の概念とは全く異なる取り組み、新しいコンテンツの提供方法として紹介されている記事です。
PFNとやる気スイッチグループは2020年7月、PFNが開発している小学生から始められるプログラミング教材「Playgram」と、「やる気スイッチ」が入る指導メソッドを組み合わせたプログラミング教室のパッケージ展開で提携した。「プログラミング教育 HALLO powered by Playgram x やる気スイッチ(HALLO)」は8月から順次、やる気スイッチグループの直営教室に導入され、現在は小学生を中心に、未就学児や中学生も含む幅広い年齢の生徒が在籍。教材と指導メソッドは、生徒や保護者から高い評価を得ているという。
両社は2020年12月25日、HALLOのフランチャイズパッケージの開発と拡販・導入支援を行う合弁会社「YPスイッチ」を設立。2021年春以降、やる気スイッチグループの教室を皮切りに、一般の学習塾や学童・保育サービス、習い事教室などを対象にHALLO加盟教室を募集する。
Playgramは、ひとりひとりに最適な学習を提供することで大人顔負けのプログラミング力を育てる。やる気スイッチグループは、教室経営・販促などのノウハウや、生徒が自律的に学ぶ力をつける(やる気スイッチの入る)指導メソッドを提供する。
既存教室の空き時間、空きスペースを活用できるので、一般的なフランチャイズ加盟に比べると初期投資や必要設備は少ない。既存教室の生徒からの入会を促進しやすい設計で、3名の生徒で黒字化が可能だという。
教室側に事前のプログラミング教育のノウハウやIT知識は不要。eラーニングやオンラインでのOJT研修、教材による学習進捗管理アシスタントが用意されている。
大人むけのプログラミングスクールが注目を集めている中、未就学から小学生・中学生向けのスクールとして開業を目指しています。
ここでのポイントは、①教育プログラムが過去のものとは全く異なり、スクール形式ではなく課題を自分で見つけるところから始めること ②既存のメソッドを活用しながら、新しいテクノロジーを積極的に活用すること ③パッケージ化(フランチャイズ化)することによる市場浸透です
①過去とは異なる教育プログラム
最近の塾や教育プログラムのポイントは「自学・自習」です。あえてスクール形式の授業を実施しない塾も増えて来ています。個人にカスタマイズされた学習進捗や、「教える」より自分で疑問を見つけ出し、自分で調べる(検索する)、聞く(質問力)に重きを置いているようです。理解できない点はその場で解決できることが大事です。
②既存のメソッドと新しいテクノロジーの活用
比較的低コストで、自社の持っている強みを十分に活用しつつ、教育の仕組みとソフトを変えることで新しいコンテンツを生み出せています。当然にこれから求められるビジネススキルを身につける上でもニーズにも合致しています。
③パッケージ化(フランチャイズ化)による市場浸透
既存のスペースを活用しつつ、プログラムはパッケージ化されていることで比較的初期投資を抑えた仕組みです。提供側に特別なIT知識を要する訳でもなく、実はコワーキングスペースやシェアオフィスのような場所の提供がビジネスモデルとも言えます。
最近は「マインクラフト」のようなゲームからプログラミングに興味を持つ子供も世界中で増えています。コロナ禍でソフトが枯渇した「あつまれどうぶつの森」も同様です。
何もないところから自分の世界観を作り上げていくコンテンツは、これからビジネスを自分で作り上げていくスキルやセンスを磨く格好のコンテンツです。
学校教育もようやくITリテラシーに向けて動き出しましたがそれだけでは不十分です。教育ビジネスでの雄である「公文式」に似たビジネスモデルでありつつ、新しいコンテンツやプログラムを既存の塾生に提供する仕組みであり、新しい未来を作り上げる子供たちを育てたい親御さんから注目を集めそうです。
同時に、他の業種・業態・サービスでの事業拡大にも参考になるのではないでしょうか。
なお、フランチャイズ本部つくりや成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。