「やきとり家 すみれ」や「焼肉ライク」などをフランチャイズ展開するダイニングイノベーションが、ハンバーガーのテイクアウト専門店「ブルースターバーガー」の多店舗展開を目指すことを発表しました。
「焼肉ライク」などの飲食店を展開するダイニングイノベーション(東京・渋谷)はテークアウト専門のハンバーガー店を多店舗化する。原価率を一般的な飲食店の約2倍に設定することで、ハンバーガーで税別170円と割安な価格ながら高品質のあじわいを実現した。住宅街やロードサイドなどに出店し、将来的に国内2000店舗を目指す。
名称は「ブルースターバーガー」で、1号店を東京・中目黒に開業した。店内に飲食スペースは原則設けず、テークアウトのみに対応する。専用のスマートフォンアプリで、注文から会計、受け取りまでを従業員との非接触で完結できるようにした。店内に設置したセルフレジでの注文も可能で、会計は電子マネーなどの完全キャッシュレスとした。来年にはフードデリバリーにも対応する。
今後はフランチャイズチェーン(FC)での多店舗化を目指す。住宅街やロードサイドへの出店のほか、コロナ下で需要が高まっているドライブスルー業態も想定している。10年後をめどに国内2000店体制を目指し、海外展開も視野に入れている。2020/11/13 日経MJ(流通新聞) 13ページ
持ち帰り専門、バーガーに新星、ダイニングイノベーション、中目黒に、原価率、通常の倍、国内2000店目標。
同社の発表によると、ブルースターバーガーでは最新のITシステムをフル活用し、「低価格×高品質なハンバーガー市場」という、従来にはない空白のマーケットを採りに行くことを狙っているようです。
ここ最近は、多くの外食企業においてモバイルオーダーやキャッシュレスシステムなどの導入が進められていますが、多くの場合、人手不足の解消や新型コロナウイルス感染症対策のためのサービスの非接触化が主たる目的とされています。
一方、同社の取り組みは、IT活用の主たる目的が、人手不足の解消や新型コロナウイルス感染症対策ではなく、初期投資や運営コストを抑制して浮いた余力を商品力アップに還元し、「低価格×高品質」を実現することに置かれている点が特徴といえます。
すでにフランチャイズ加盟したいという声が多く寄せられているという話もあり、今後の動向が注目されます。
新型コロナウイルス感染症対策等といった短期的な視点だけではなく、中長期的視点から成長・発展を目指す同社の経営姿勢は、ビジネスモデルを商売のタネとするフランチャイズ本部にとって、参考になる取り組みなのではないかと思います。
目先の対策だけではなく、3年後、5年後、10年後を見据えて必要な打ち手を積み重ねていくことが、チェーンの未来を決定するのではないでしょうか。
なお、ポストコロナ時代に選ばれるフランチャイズ本部について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。