コンビニフランチャイズ本部が、昨今の環境変化に合わせて、フランチャイズシステムのあり方の見直しを進めています。
ミニストップは、加盟店の収益を効率的に高める店舗づくりに本部も積極的に関わるようにすることを目的として、フランチャイズシステムの見直しに着手することを発表しました。
ミニストップはFC(フランチャイズチェーン)制度を大幅に見直す。現在はもうけのある無しにかかわらずに本部が加盟店から一定割合の経営指導料を取っているが、2021年9月からは利益を両者で折半する仕組みに改める。売り上げ至上主義ではなく、店舗の稼ぐ力を重視するFCのモデルに切り替える。
いまのFC制度は、売上高から仕入れ原価を引いた加盟店の粗利益の一定割合を、経営指導料として本部が徴収している。商標使用や経営指導の対価との位置付けだが、売れ残りの廃棄ロスや人件費は加盟店の全額負担で、店の経営状態にかかわらず本部が一定の収益を確保できる仕組みだった。
新たな契約では、廃棄ロスや人件費など店舗運営に関わる一連のコストは本部と加盟店が共同で負担し、残った利益を原則として折半する。売れのこりを極力減らす発注など、収益を効率的にあげるような店舗づくりに、本部も積極的に関わるよう促す。
出典: ミニストップ、FC見直し、利益折半、稼ぐ力向上促す。
2020/09/25 日本経済新聞 朝刊 1ページ
コンビニに限らず、これまでのフランチャイズシステムといえば、加盟店が利益を得られているか否かにかかわらず、本部が一定のロイヤリティを徴収することが常識でした。
しかしながら、コンビニの競争環境が激化し、加盟店の収益性が悪化している状況下でも、従来と変わらずフランチャイズ本部が高い料率のロイヤリティを徴収し続けることに対し、世間から批判の声が上がったことは記憶に新しいことでしょう。
2019年に発生したコンビニフランチャイズ本部と加盟店の騒動により、フランチャイズに対する世間一般のイメージは大きく悪化することとなりました。
実際、その後コンビニフランチャイズ本部は従来の店舗拡大方針を変更せざるを得ない状況に陥っています。
ここに、従来のフランチャイズシステムの限界がみて取れます。
そして、この問題はコンビニフランチャイズに限ったことではありません。
現代はあらゆる商売において競争環境が激化し、収益が出しにくい状況になっています。
フランチャイズシステム見直しの波は、今後他業界にも波及していくものと考えられます。
それでは、今後フランチャイズシステムはどのように変化していくべきなのでしょうか。
様々な方向性が考えられますが、その一つのポイントは、
本部と加盟店の利害が一致するフランチャイズシステム
具体的には、加盟店が儲かれば本部も儲かり、加盟店が儲からなければ本部も儲からない、
この関係を実現するフランチャイズシステムになるのではないかと考えます。
そして、ミニストップの取り組みは、まさにこの関係性の実現を目指す取り組みなのではないかと感じます。
フランチャイズ本部の利益ばかりを考えることなく、フランチャイズシステムの根幹である“本部と加盟店の共存共栄”実現に全力を尽くすことが、今後の発展の鍵になるのではないでしょうか。
なおポストコロナ時代に選ばれるフランチャイズについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。