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ワークマンの超効率経営に注目が集まる。フランチャイズシステムを巧みに活用した同社の経営モデルとは

現場や工場作業向けの作業服・関連用品の専門小売店をフランチャイズ展開するワークマンの効率経営が注目されています。

ワークマンの快進撃が止まらない。機能性が高いプライベートブランド(PB)のアウトドア商品が好調で、11日に開示した2021年3月期の単独税引き利益は10期連続の最高益となる見通し。売り上げ成長に注目が行きがちだが、真の強みは固定費を極限まで抑制する超効率経営にある。

42.6%。ワークマンの稼ぐ力を象徴する「損益分岐点比率」を試算した値だ。黒字の維持に必要な売上高の水準を示す。国内小売業全体の損益分岐点比率は推計で約90%。ワークマンは売上高が半減しても営業赤字にならない計算だ。

損益分岐点比率が低いのは、売上高に対する固定費の比率が低いためだ。20年3月期は前の期より2.4ポイント低い14.6%だった。特に、固定費の中でも人件費が売上高に占める比率を3%と、国内小売業全体(11%)の3分の1に抑える。

鍵を握るのは、全店舗の96%を占めるフランチャイズチェーン(FC)展開だ。店舗の人件費はFCオーナー負担なので、FC比率が上がると、本部の人件費比率は下がる。営業時間を午前7時から午後8時までとし、本部が受け取るロイヤルティーも売り上げが伸びるほどオーナーの収入が増える仕組みにするなど、「ホワイトFC」で支持を得ている。

出典: ワークマン「身軽さ」強み 巧みなFC展開、固定費低く 損益分岐点比率わずか42%
2020.08.15 日本経済新聞 13ページ

インターネット通販が普及し、小売各社が苦戦をする中、同社はここ数年、小売業界の優等生として高い売上成長を実現しています。
最近では、一般向けのアウトドア商品も取り扱う新業態「ワークマンプラス」がヒットしたことでも注目されました。

効率経営という観点から同社の経営を振り返ると、その効率経営を実現している背景に、フランチャイズシステムの活用があることがわかります。

同社が発表している資料によると、2020年6月末時点のワークマン及びワークマンプラスの直営店が47店舗(業務委託契約店舗を含む)であるのに対し、フランチャイズ店舗は829店舗です。
チェーン全店舗に対するフランチャイズ店舗の割合が、94.6%にまで及んでいるのです。

フランチャイズ店舗の場合、家賃や人件費も含め、店舗に発生するコストはすべて加盟店の負担となります。
本部は加盟店からロイヤリティ収入を得ることになりますが、一方で、本部コスト以外の経費負担は一切負わないのです。

本部コストは、一定程度の規模を超えれば、店舗数が増えても、大きく増加することはありません。
同社の場合、すでに800店舗超を展開していますから、新たに加盟店が増えたとしても、増加するコストはほとんどないでしょう。
となると、加盟店から得る加盟金やロイヤリティはその大部分が利益となるわけです。

一般的に利益率が低いとされる小売業でこれだけの高い収益性を実現している背景には、このような“フランチャイズシステムの巧みな活用”があるのです。

同社の直営店、フランチャイズ店の店舗数推移をみると、直営店が一貫して減少しているのに対し、フランチャイズ店は一貫して増加しています。
この推移を見ても、同社がフランチャイズシステムを意図的に活用して、効率経営モデルを構築してきたことがわかります。

同社の“フランチャイズシステムを巧みに活用した効率経営モデル”は、情報化、国際化が進み、環境の急変がいつ起きるかわからない現代において、非常に有効な経営モデルといえるでしょう。