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びっくりドンキーのアレフが省人型新業態で50店展開を目指す。中長期的な競争優位性を発揮できるか

新型コロナウイルス感染症の影響により客数が大きく減少している大手飲食チェーン店が、その対策に乗り出しています。
びっくりドンキーを展開する株式会社アレフは、省人型の新業態ディッシャーズで50店舗展開を目指すと発表しました。

びっくりドンキーを展開するアレフ(札幌市)は6月に開業したばかりの省人化運営の新業態店「ディッシャーズ」を今後4年間で全国15店舗に拡大し、将来は50店舗に増やす。接客を重視する従来型のハンバーグ専門店の拡大が頭打ちとなっており、従来と異なるイメージの新業態を事業の柱に育てたい考えだ。
「ディッシャーズ」はタブレット端末を用いた注文やセルフレジを導入した新業態。既存のびっくりドンキーと同じくハンバーグを提供するが、従来より店舗が小さく、少人数で効率的に営業できる。

出典: びっくりドンキー、サービス多彩、省人新業態50店目指す、効率化・イメージ刷新注力。
2020/07/22 日経MJ(流通新聞) 15ページ

顧客との接触を前提とする飲食業界は、新型コロナウイルス感染症の影響により、最も大きなダメージを受けた業界の一つです。
withコロナ時代にも生き残れるよう、顧客との接触機会を減らした新業態が出現することはある種当然のことといえます。
このような動きは、今後加速していくものと考えられます。

しかし、ここで注意しなければいけない点があることも事実です。
過去にも、飲食店の出店ラッシュによる競争激化や人出不足問題の深刻化等を克服するために、大手飲食チェーンがこぞって省人化に取り組む時期がありましたが、それほど普及することはありませんでした。

省人化の取り組みがなぜそれほど普及しなかったのかというと、省人化を追求した先には、“競争企業との同質化”という問題が待ち構えているからです。

現代は、成熟経済の時代です。
成熟経済の時代には、顧客の嗜好は多様化します。
このような時代に顧客に選ばれるお店となるためには、来店される顧客の多様なニーズにきめ細かく対応していくことが不可欠です。

そして、これを実現するためには、人が介在する必要があります。
人が介在しなければ、どうしたって機械的な対応にならざるを得ないからです。
この状態では、人の魅力を強みとする個人店に太刀打ちできないのは明らかです。

また、新型コロナウイルス感染症の影響は当面続くことが想定されますが、かといって、この状況が永遠に続くとは考えにくいこともまた事実です。

フランチャイズ本部としては、新型コロナウイルス感染症問題に対処するという短期的な視点に加え、チェーンの持続発展いう中長期的な視点をもって、経営方針を熟考することが求められるでしょう。