人手不足の深刻化や新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、店舗ビジネス業界においてロボットを活用した省人化・非接触化が進んでいます。
すかいらーくは、2022年中に展開する外食店約2000店舗に対し配膳ロボットを導入することを発表しました。
ファミレスチェーン最大手のすかいらーくホールディングス(HD)は2022年末までに約2000店舗で配膳ロボットを導入する。店員の作業負担を減らし、新型コロナウイルスの感染予防も狙う。行動制限が緩和されるなか、人手不足や非接触に対応したサービスが広がりそうだ。
22年4月までに主力業態「ガスト」の一部や「しゃぶ葉」全店の計約1000店に導入する。22年末までに「バーミヤン」などにも導入し、約2000店舗に達する見通し。国内約3000店の6割以上で配備する。
出典
2021年10月18日 日本経済新聞 朝刊 1ページ
すかいらーく、配膳ロボを2000店に導入 感染対策を強化
情報化や技術革新の進展により、従来は人を介して行っていた業務を、機械を用いて自動化することができる時代となりました。
人手不足の深刻化や新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、大手チェーンはロボットを活用した省人化・非接触化を推進しています。
この傾向は、今後ますます進んでいくことが予想されます。
しかし、注意すべき点は、前述の取り組みは、基本的に「大手企業がとるべき戦略である」という点です。
ロボットを活用すると効率化は進むかもしれませんが、サービス品質は同質化していきます。
すかいらーくの例でいえば、配膳ロボットを導入することで、接客サービスの品質によって他社と差別化する余地が狭まってしまう(同様のロボットを導入する店舗間で違いが無くなる)のです。
そのため、ロボットを活用した省人化・非接触化の先には、価格競争が待ち受けています。
すかいらーくくらいの大企業であれば、価格競争に打ち勝つことができるのかもしれませんが、中小企業が大手企業に価格競争で勝つことは現実的ではないでしょう。
ロボット導入による省人化・非接触化を進める大手企業に対して、同じ土俵で勝負をしても勝ち目はありません。
中小企業がとるべき基本戦略は、「大手企業との差別化」です。
大手企業がロボット導入による省人化・非接触化を進めるのであれば、中小企業としては、効率が悪かろうとも、人を介して「ロボットでは実現できないサービス」を提供することが求められるのではないでしょうか。
なお、フランチャイズ本部の立ち上げ方や成功のポイントについてついて詳しく知りたいかたはこちらのコラムをご覧ください。