新型コロナウイルス感染症の影響により、大手外食チェーンが大きなダメージを受けています。
ここ最近、「いきなり!ステーキ」の不振がささやかれていたペッパーフードサービス社ですが、「ペッパーランチ」事業を売却する方針を固めたようです。
外食チェーン大手のペッパーフードサービスが、主力の「ペッパーランチ」事業を売却する方針を固めたことが18日、分かった。もう一方の主力事業で不振の「いきなり!ステーキ」が新型コロナの感染拡大で売り上げが一段と低迷しており、売却により得た資金で立て直しを目指す。売却額は100億円近くになる見通し。
2018年には1年間で200店舗超を出店するなど、ここ数年、外食業界の話題の中心にあった「いきなり!ステーキ」ですが、一つの節目を迎えたものといえるでしょう。
「いきなり!ステーキ」不振の理由には諸説ありますが、重要なことは、
フランチャイズシステムを用いて短期間で大量出店をした後、短期間で店舗数を減らしていくパターン
は過去に何度も発生している、という点です。
これら過去の失敗パターンに共通してみられる点としては以下の要素が挙げられます。
- 出店スピードに人材育成が追い付かず、大量出店と同時に店舗運営品質の低下が生じる
- 出店を優先しすぎるあまり、立地評価がおろそかになり、自チェーン内での顧客の奪い合いが生じる
- 店舗展開とともにチェーン店感が強くなり、業態の魅力が低下する
これからフランチャイズ展開を志向するのであれば、過去の失敗パターンからその要因を学び、自社の展開に活かしていくべきでしょう。
特に、現代においては「3. 店舗展開とともにチェーン店感が強くなり、業態の魅力が低下する」に注意する必要があります。
経済が成熟化し、顧客ニーズが多様化している現代では、特に飲食店において、チェーン店が避けられる傾向にある印象です。
業種業態によって差はありますが、大雑把な傾向としては、個性のある個人店やローカルチェーンが好まれ、大衆的なイメージのある全国チェーン店が避けられるイメージです。
今後フランチャイズ展開を目指すのであれば、自社の事業が競争力を維持できる最適規模を意識する必要があるでしょう。
フランチャイズシステムは、短期間で大量出店を遂げることを前提として発展してきたシステムですが、フランチャイズシステムのあり方も、時代の変化とともに変わってきています。
自社の経営状態と時代の流れにあわせて、あるべきフランチャイズシステムのあり方を模索することが大切です。
なお、ポストコロナ時代に選ばれる本部について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
なお、フランチャイズ本部つくりや成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。