新型コロナウイルス感染症の影響により、緊急事態宣言解除後の5月においても、多くの外食企業で売上高が大きく減少しています。
特に、居酒屋業態の落ち込みが厳しいようです。
一方、テイクアウト需要の取り込みに成功しているファーストフード業態は引き続き好調を維持しており、同じ外食といえども、業種業態によって差が出ています。
日経MJがまとめた外食35社の5月の既存店売上高は公表している34社のうち30社が前年同月比で減収だった。5月25日までに緊急事態宣言が全国で解除され、徐々に営業再開や営業時間を拡大してきたが、客足の戻りには時間がかかるようだ。居酒屋を中心に大きく落ち込んだ。一方で、持ち帰り需要を取り込んだファストフードは伸びており、すしも回復傾向だ。
出典: 外食5月、34社中30社減収、居酒屋落ち込み大きく、すし4社は回復傾向に。2020/06/26 日経MJ(流通新聞) 9ページ
新型コロナウイルス感染症の問題は、特効薬やワクチンが開発されれば、過去の話となるでしょう。
とはいえ、新型コロナウイルス感染症によって外食企業が受けた衝撃は、人々の頭の中に強く残ることが予想されます。
特に影響を受けるのが「外食産業への参入や起業を考えていた人たち」です。
資本力のある企業は、好条件の物件が空いてきていることをチャンスととらえ、外食産業に参入してくるかもしれません。
一方、資本力の少ない個人や小規模企業は、外食産業への参入や起業に踏み出しにくくなった印象です。
フランチャイズ事業の顧客である加盟希望者の思考も当然に変わるでしょう。
これまで、個人や小規模企業を加盟対象としていた外食FC本部は、ターゲットの見直しが求められるかもしれません。
また、加盟ターゲットに関わらず、同様の事態が発生したときの対応策をビジネスモデルに組み込んでいく必要があります。
今回のコロナ騒動下でもビジネスモデルが通用することが確認されたファーストフードチェーンは、今後加盟者が増えていくものと思われます。
コロナ騒動で大きく売り上げを減少させたフランチャイズ本部は、抜本的なビジネスモデルの見直しが求められるでしょう。
新型コロナウイルス感染症の影響により、フランチャイズ本部の加盟店開発のあり方も変わっていくことは間違いありません。
なお、ポストコロナ時代に選ばれるフランチャイズ本部について詳しく知りたい方は、こちらのコラムもあわせてご覧ください。