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これからの働き方に合った美容業界でのフランチャイズ制度構築の考え方とは

人々の働き方が多様化してきました。
同時に、企業の意識も変わり始めてきました。
働き方改革は、企業にルールの遵守を求めるだけではなく、個人が「生き方を再定義すること」にも繋がっているようです。

具体的には、個人は生涯同一企業で働き続けることが困難な時代となり、それぞれ真剣に自身の働き方や生き方を考えなければならない時代になったと言えます。
今回は、このような時代に合わせた働き方の1つにフランチャイズ制度を活用できないかを、特に美容業界に焦点を当てて考えてみたいと思います。

美容師・理容師の働き方

美容・理容業界で働く人は、腕に自信のある技術職であり、お客様が美容師個人に紐づくことの多い業界です。
つまり「技術や顧客」は個人が持ち運べるスキルであり、資産なのです。
ですから優秀な人は、自身のスキル向上と顧客との関係づくりに余念がないでしょう。

美容師・理容師の強み)
・基本的なカット技術
・新しいカットの技術習得
・流行を察知するアンテナ
・お客様に合ったヘアスタイルの提案
・お客様のニーズを掴む対話、人間力

(美容師・理容師の働き方)
・ヘアサロンのオーナー又は兼技術者
・ヘアサロン運営企業の社員
・地域ヘアサロンでのパート・アルバイト勤務者

美容師・理容師は基本的に技術職です。
加えて他の業界と比べて女性のプレイヤーが非常に多い業界です。

なので、経営者視点で見た場合、「働き方における課題」に特徴があります。
例えば、結婚・出産・育児・介護などのライフステージのイベントによって、休職・退職される方の比率が、他業界に比べて多い、といったことです。

これは「女性」である点と「手に職を持っている」ことにより、「自身が希望すれば、職場や雇用形態は変わっても、生涯働き続けることができる」からこそ、ライフイベントには離職を選ぶ人が多く、経営視点では「自社の技術や顧客の流出するリスクが常にある」ということです。

美容・理容業界に見る課題

次に美容・理容業界の特徴ですが、「店舗数が多く、競争が激しい」ということです。
さらに業界として、以下のような構造的な課題も多いと思われます。
(構造的な課題)
・離職率が高い
・慢性的に人手不足
・現状の働き方では、将来の収入増が見込めない
・個人の技術に差がある
・長時間労働になりがち
・他業界の企業に比べ本社のマネジメントポストが少なく、キャリア形成や将来設計が描けない
・個人経営も多いため、経営的視点に欠ける

また業界全体として、ファッション・アパレルの流行には敏感ですが、新しいテクノロジーの導入や働き方など、他業態と比べてもやや遅れを取っている点も多いと感じます。
なので、何らかの構造改革が、次のステージへと進化する足がかりとなることでしょう。

業界の課題を克服しながら、新たな働き方も模索する

前述の課題を解決する手段の1つとして、「のれん分け」や「フランチャイズシステム」を活用することができるのではないでしょうか。
それは各々が自らの技術で顧客を獲得し、かつ働き方も自ら選択できる仕組みの導入です。

「のれん分け」や「フランチャイズシステム」は、飲食店やコンビニエンスストアの業態で発展してきましたが、個人のスキルを活かす点で は、美容・理容業界にも適している仕組みと言えるのではないでしょうか。

つまり、現状は「従業員一人一人に紐づいた持ち運び可能なスキル・資産」となっている「技術や顧客」を、ライフイベントに合わせた働き方を可能とする制度を用意することによって、自社から離れさせない仕組みを作る、ということです。

具体的には、従業員が選択できるキャリアの1つとして「のれん分け」や「フランチャイズ制度」を構築し、従業員に加盟店となってもらうことで、技術と顧客をグループ内に留めておくのです。

従業員としても、店舗経営ノウハウは本部のコンサルティングでバックアップしてもらいながら、自身のライフイベントに合わせて自身の裁量で働き方を選ぶことができるようになります。

さらに、企業内で「店舗経営スキルを持った人材育成の仕組み」が構築され、独立前にトレーニングを受けていれば、安心して店舗運営を始められるのではないでしょうか。

(従業員の加盟メリット)
・本部組織内のグループとして安心して店舗経営に専念できる
・店舗経営者として自身の裁量で働き方を柔軟に選べる
・店舗経営のノウハウが吸収できる
・グループ内の資源を共有して活用できる(予約システム等)
・グループの仲間が沢山いる
・自身の技術を最大限活かせる

(企業がFC本部となるメリット)
・地域におけるドミナント出店が可能になる
・社員・パート従業員の店長(経営者)としてのポストを確保できる
・グループとしての顧客囲い込み販促や共同での求人掲載が可能
・優秀な美容師・理容師をグループ内で確保でき、離職による人材流出を防げる
・グループとして社員のキャリア形成を提案できる
・加盟店も含めてグループ全体で人材育成に取り組める
・各店の顧客・店舗情報が蓄積でき、グループ施策のヒントとなる

FC展開を始める本部は、新たなテクノロジーの導入や業界全体の課題を克服する仕組みづくりに専念する役割を担ってはどうでしょうか。
加えて、手に職を持った人材を経営者として育成する「人材輩出企業」として業界で生き残り、社会に貢献することも大事な役割と言えないでしょうか。

まとめ

コロナの影響で医療業界も人手不足となり、有資格者・経験者を医療の現場へ呼び戻す動きが活発化しました。
エッセンシャルワーカーである看護師・介護士は社会にとって貴重な存在です。

同様に美容師・理容師も大事なエッセンシャルワーカーです。
技術を持ち、有資格者でありながら、望む働き方とマッチングできていない人も多いのではないでしょうか。

一方で、数十店規模で経営される企業様は、人手不足に悩んでいます。
これらを上手くマッチングさせる手段として、「のれん分制度」や「スマートフランチャイズシステム」を活用してみてはいかがでしょうか。