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フランチャイズシステムの弱点を補う視点での「のれん分け制度の強み」とは

「のれん分け」制度を活用して店舗展開を図る中小企業は増えてきました。
その際に「フランチャイズ」と「のれん分け」の異なる点は何なのか、結局は同じことではないか、と疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はその違いについて、「のれん分けがフランチャイズの弱点を補う」という視点から、両者の違いについて考えていきたいと思います。

なお、フランチャイズ本部つくりや成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部が加盟者に提供するFCパッケージの考え方。6つの基本型とは


フランチャイズ・システムの枠組みとは

フランチャイズとは一般的に以下の3つの要件を満たすものとされています。

① 本部が加盟者に対して、事業に成功するためのブランドや経営ノウハウ、経営サポートと言われるフランチャイズパッケージを提供する。
② 加盟者は本部から提供されたフランチャイズパッケージに対する対価としてロイヤリティを支払う。
③ 本部と加盟者はそれぞれ独立した事業者として、対等な立場で互いの権利と義務を明文化した契約を締結する。

サービスを提供してその対価を本部が受け取るといったビジネスモデルは、一般的なBtoBの商取引構造と同じです。

そこに加わるフランチャイズならではの要素として、「互いの信頼関係の元で同じ事業活動を行う」といえ、それはのれん分けも同様です。

「フランチャイズ」と「のれん分け」の違いとは

実は、フランチャイズとのれん分けの本質的な違いは「加盟者が本部と関係のない第三者か、本部で働いていた社員か」という1点だけなのです。

つまり「のれん分け」は、加盟者が自社で働いている社員なので、「スタート地点から本部と同じ理念や思考・ベクトルを持ち合わせている」という点が、フランチャイズとの最も大きな違いとなります。

補足として、第三者加盟のフランチャイズ展開を積極的に行っている企業でも、最近では本部社員や店舗スタッフが独立して開業するケースがあります。

例えば、有名な「カレーハウスCOCO壱番屋のブルームシステム」は、独立を前提として本部へ入社した後に、社員として店舗オペレーションや経営スキルを身に着け、数年かけて本部から独立の許可をもらう制度です。

これらも「のれん分け」制度と言えますが、表向きは「フランチャイズシステム」と言われているケースもあります。

これからフランチャイズまたはのれん分けで多店舗展開を検討している経営者の方は、両者の違いは、「自社の社員の独立か、第三者の応募からの加盟者なのか」が、大きな違いであると理解いただくとよいでしょう。

フランチャイズの弱点とは

多店舗展開を検討する企業にとってフランチャイズ展開の強みとは、本部と加盟者の互いのリソース(資金・人材・ノウハウ)の相互利用により、出店に伴って発生する資金的・人的な負担を分散できるため、本部が加速度的に店舗拡大を図れる点にあります。

加盟者も本部の多店舗化が進むことは、ブランド力が向上するため、両者にとってWin-Winの関係といえます。

そしてこういった本部と加盟者との関係は、FC契約書で保たれているものの、根底にはお互いの“信頼関係“があることが前提です。
しかし、この根底にある“信頼関係”こそ、フランチャイズシステムの弱点でもあります。

つまり加盟対象者が第三者である以上、その加盟者が本当に信頼できる加盟者であるのかは、実は分からない点も多々あるからです。

本部にとっては、自社の事業に対する知見や経験も無い加盟候補者にブランドを預けるため、本来的にはリスクの高い判断にならざるをえないのです。

それを、FC契約書や研修制度、SVシステムを使って補っていますが、つい先日まで全く異なる世界で生きてきた方々を相手にしますので、未知数な部分は大きいといえるでしょう。

その点、「のれん分け」の場合は、自社での知見と経験を兼ね備え、同じ釜の飯を食べた気心の知れた仲間たちです。
根底の“信頼関係”という意味で、第三者加盟のフランチャイズとは、スタートから大きな差があるのです。

のれん分け制度の強み

「のれん分け」制度はフランチャイズシステムと比べて、根底の“信頼関係”が厚い点が最も大きな強みとなりますが、実は他にも強みがあります。

それは店舗研修や教育制度構築の労力や規模感です。

共有すべきチェーンのビジョンや店舗オペレーションは、研修や教育によって、チェーンの一員として開業できる一定程度のレベルまでは、引き上げることができます。

しかし、何故このオペレーションが必要なのか、この仕組みに至った意図にはどのようは背景があるのか、自社事業の本質的な考え方や理念まで理解するには時間が掛かるものです。

その点、「のれん分け」の場合はOJTによって一緒に働きながら学んできており、この事業が成功するための要諦を身につけています。

この土台があるか無いかで、実際に独立開業した際に発生する課題に対して、自身の頭で考え自ら行動を起こすことができるかどうかが変わってきます。

より自立した加盟者としてスタートを切れるアドバンテージは、「のれん分け」の大きな強みと言えます。

つまり独立開業前に、本部と加盟者が十分なコミュニケーションが取れており、理念やビジョンの共有度合いも高く、運営品質も高いレベルでスタートできるのが、「のれん分け」制度の強みなのです。

まとめ

「フランチャイズ」展開か「のれん分け」展開かを迷われる時は、自社の事業モデルに照らし合わせて考えてみていただければと思います。

根底にある“信頼関係”を、研修制度やSVシステムで十分にカバーでき、加速度的な店舗展開を目指すのであれば「フランチャイズ」展開が有効です。

逆に「フランチャイズ」の弱点を克服したいのであれば、「のれん分け」制度が有効と言えるでしょう。

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