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フランチャイズ本部にとってのロイヤリティとは

ビジネスにおける“値付け”の行為は、最も重要な意思決定です。
事業の収益性を左右し、ビジネスモデルの価値を示す指標であり、企業のアイデンティティが表現されるものだからです。

フランチャイズビジネスにおいて、消費者に提供する商品やサービスはもちろん、加盟店を募集する際の加盟金、ロイヤリティ、研修費など、フランチャイズ本部が自ら意思決定する“値付け”行為は多岐にわたります。
今回はフランチャイズ本部とっての“値付け”、特にロイヤリティについて考えていきたいと思います。

フランチャイズ本部が考える“値付け”

商品・サービスの店頭価格

これはフランチャイズ・システムに関係なく、全ての事業会社が実施する価格設定です。
デザイン・製造・物流・販促など様々なコストに加え、自社が獲得すべき利益を乗せて販売価格とします。

それ以外にも、マーケットでの競合との比較や相場観も必要となります。
どの価格帯でどの客層をターゲットにするのか、どの場所で販売するのか、様々な要素が絡んでくる経営戦略になります。

加盟金

ここからがフランチャイズ本部独自の“値付け”行為です。

加盟金は目に見えない自社の無形資産に対して、加盟者に対価を支払ってもらうものです。
無形資産の価値に値付けをする難しさから、多くの場合、同業他社と比較した相場観で決められている印象です。

しかし本来の加盟金の考え方は、開業に至るまでの指導・援助に対する対価です。
明確に根拠は決まっています。

具体的には、立地調査・デザイン・店舗設計・レイアウト・事業計画・研修など、開業に必要なコストです。これらの開業ノウハウには、本部社員による指導・援助があり、その指導料が本部の提供する付加価値となります。

破格の低い加盟金で加盟者を募る場合もありますが、コストが無くなっているわけではありません。
開業コストは必ず発生します。

なので、たとえ加盟金0円であっても、研修費50万円、開業準備手数料100万円など、加盟金とその他の費用を切り分けてアナウンスしているに過ぎないのです。

研修費

店舗運営に関わるオペレーション習得に必要な研修費用です。
研修場所や本部トレーナーの人件費、システム等のハード設置費用など、ここにも多額のコストが発生します。

本部が受け取る対価

①研修で発生するハード等の物理的コスト
②トレーナーがノウハウを教育するスキル
③店舗運営マニュアル

上記において、本部の提供する付加価値は、②のトレーナーのノウハウ教育スキルと③のマニュアルです。
ここがフランチャイズ本部の利益の源泉になります。

ロイヤリティ

フランチャイズ本部の価値を最も明確に表すのがこのロイヤリティです。
ここの自社のビジネスモデルのノウハウ、商標等の使用料、経営権が含まれます。

加盟店の事業に利益をもたらすためのスーパーバイザーの指導料や、日々のバックオフィス機能の対価もここに含まれます。

このロイヤリティこそがフランチャイズビジネスにおける付加価値であり、フランチャイズ展開をして事業拡大を図る醍醐味です。

しかし最近ではこのロイヤリティをかなり低く設定するケースがあります。
定額・低率・逓増・逓減、売上対比・粗利対比・営業利益対比など、ロイヤリティ算定方法は様々ありますが、基本的には付加価値の対価になっていることが重要です。

付加価値を生み出し、そこに利益(ロイヤリティ)が発生するのがあるべき姿

ロイヤリティがフランチャイズビジネスの付加価値である例として、代表的なものは「コンビニ本部の高いロイヤリティ」ではないでしょうか。

フランチャイズビジネスのロイヤリティの中では、コンビニ本部が加盟店から徴収するロイヤリティの高さは群を抜いているからです。
契約タイプによって異なりますが、加盟店が店舗運営で獲得した利益の半分以上を、本部がロイヤリティとして徴収します。

一般的にコンビニ本部のロイヤリティの高さにはあまり良い印象をもたれていないようですが、
その高さでも、加盟店には一定の利益が残るビジネスモデルであるという点と、高い分だけの付加価値を提供できているからこそ可能な「ロイヤリティの高さ」なのです。

そしてコンビニは、ロイヤリティの高さにとかく目が向けられがちですが、それを可能とするコンビニ本部の提供する付加価値は、フランチャイズ本部にとって学ぶべき点といえます。
実際に、他のフランチャイズ本部と比較して、コンビニ本部の加盟店へ提供するサービスレベルの高さは圧倒的です。

コンビニ本部と同じとはいえなくても、フランチャイズ本部経営者の皆様には、ロイヤリティを検討する際には「自社が生み出せる付加価値」をもっと奥深く探していただきたいと思います。

フランチャイズビジネスのロイヤリティとは「本部がチェーン全体の仕組みを発展させるための投資」の原資です。
本部が高いロイヤリティを得ると、その分だけ本部の投資余力が生まれ、チェーン全体の発展のために投資できるということなのです。

世の中の変化するスピードが早まり、ユーザーの求めるものも変わっています。
同時に展開するビジネスモデルやそこでの収益の上げ方が変わり、結果的に本部が加盟店に提供するサービスや付加価値も変わっていくはずです。

「本部の構築したビジネスモデルで加盟店に付加価値生み出させ、本部にはロイヤリティを発生させる」ことが、フランチャイズ・システムで事業を展開する本質です。

ロイヤリティとは本部がフランチャイズ事業を継続し続ける原資でもあります。

まとめ

アーリーステージの企業では、加盟者を募る段階で非常に苦労します。
加盟店獲得に向け、加盟金0円、ロイヤリティは定額で●●万円など、加盟者の投資費用の低さをアピールするのも一つの方法ですが、中長期的視点で考えれば、そのような行為は「最善の選択」ではないと思います。

是非、ロイヤリティを大きく獲得できる企業フランチャイズ本部を目指していただきたいと思います。

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