変化のスピードは我々の想像以上に進んでいます。
もはや人間が考えられる思考レベルをはるかに超えているようです。
テクノロジーの進化を上手く活用できなければビジネスができない時代になりました。
しかし一方で、人間味のある温かさの部分が差別化になるとも言われています。
この相反する事象の事例から、加盟候補者に選んでもらえるフランチャイズ本部になるための思考法を考えていきたいと思います。
ヒューマンタッチがより重宝される世の中へ
機械学習、ディープ学習によるAIの時代は、顧客に提供する商品やサービスにおけるレコメンドの精度は格段に上昇していきます。
学習するデータ量が多ければ多いほど加速度的に進化するようです。
ただ一方で正確ではなくても、感情のあるヒトを介して提供されるモノの価値が無くなる訳でなく、逆に見直されていく、より差別化されていく、とも言われています。
「お・も・て・な・し」もその一つでしょうか。
これからは、正確性はAIに任せて、感情的・人間味的などのヒトの温かみの実現が差別化に繋がり、商売の勝機になるのではないでしょうか。
そして加盟判断をする加盟候補者へのアプローチも、このヒューマンタッチは欠かせない要素だと思います。
そのため当社では、フランチャイズ本部が加盟候補者に対して「理念やビジョン」を、経営者の生の言葉で説くようお話ししています。
「時代を先取りしている感」が投資家を呼ぶ
NYダウや東証1部に上場している企業の株価を見ていると、ヒントがあるように思えます。
最近は中央銀行によるキャッシュのばら撒き政策により、株価の乱高下も激しいですが、株価が上昇し続けている企業は概ね成長見込み産業です。
投資家は将来への期待をこめて投資をしています。
最も顕著なのが電気自動車やスペースXを手掛ける「テスラ」です。
電気自動車の生産台数は、トヨタやG M、フォルクスワーゲンと比べて圧倒的に少ないにもかかわらず、時価総額はトヨタを上回ります。
株価は半年後や1年後を見ているとも言われ、アナリストが厳密な分析もしています。
しかし将来の業績や株価をズバリ当てる投資家などいません。
つまり半年後の正解を、正確に答えられる者はいないのです。
大口の機関投資家の投資判断はAIによる機械的な部分が大半ですが、個人投資家は自分で判断します。
ここで言えるのは、「時代を先取りしている感」「将来を見据えている感」「成長しそうな雰囲気」といった、AIでない「ヒトの感じ方」が判断の要素に含まれているということです。
S D Gs、脱酸素、テクノロジーなどの単語と結びやすい企業は、「トヨタ」より「テスラ」です。
ヒトの最終的な意思決定は、こういったところに影響されているとも言えます。
これをフランチャイズビジネスに置き換えると、フランチャイズ本部が上場企業で投資家が加盟候補者です。
「加盟候補者に投資（加盟）してもらうためには」と考えたとき、フランチャイズ本部が「時代を先取りしている感」「成長している感」「将来に目が向いている感」を想像させることができれば、加盟者は集まるのではないでしょうか。
まとめ
人は意思決定する前に様々な情報を入手して、比較検討して、悩み尽くして高額な商品を購入します。
しかし最後は自分の直感を信用する人が多いのも事実です。
結局はどれが正解なのかは誰もわからないのです。
「取引先の営業担当者の人柄に惹かれた」「経営者の理念に惹かれた」なんていう判断も日常茶飯事です。
新卒で就職活動する学生の判断基準も、最後はここではないでしょうか。
そのためフランチャイズ本部は、加盟候補者に判断しやすい材料を提供することが大事になります。
判断しようのない難しいことではなく、近い将来にも収益が確保できそうな雰囲気ともいうことでしょうか。
もちろん本部としては綿密に計画をたて、厳密な収益シミュレーションを提案する役割は必要です。
しかし最終的な判断材料としては、背中を押す「時代の先取り感」も必要でしょう。
せっかくいいビジネスモデルを構築している本部にも、あともう一歩、決め手に欠けるように感じることがあります。
その最後の決め手、最終判断のラストワンマイルは、「時代の先取り感」と「人間味・温かみのある本部」といった「ヒトの感じ方」を刺激するものではないでしょうか。
