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フランチャイズ展開を成功させるために求められる本部と加盟店との関係性とは

FCビジネスでは、「本部と加盟店が真のビジネスパートナーとしての関係性を構築できるかどうか」が成功の鍵となります。

ただし、本部と加盟店は、資本関係もなく、支配関係もありません。
そのため、本部の構築したビジネスモデルをそのまま丸投げしただけでは、「本部と加盟店が真のビジネスパートナーとしての関係性を構築できる」なんてことはありません。
本部と加盟店が真のビジネスパートナーとなるためには、本部と加盟店間で理念・ビジョンを共有することが不可欠なのです。

今回は、フランチャイズ展開を成功させるために求められる本部と加盟店との関係性について考えてみたいと思います。

(1)本部・加盟店が共に育つフランチャイズシステムとは

FC本部創業時のビジネスモデルは、「普遍的な部分」と「時代の変化に伴ってアップデートされていく部分」があります。自社ビジネスモデルの核となる「普遍的な部分」は守りつつも、環境変化に対応して「時代の変化に伴ってアップデートされていく部分」をアップデートし続けていかなければなりません。

この「時代の変化に伴ってアップデートされていく部分」について定期的なアップデートを怠ってしまうと、FC本部のビジネスモデル自体が陳腐化してしまいます。
そして、ビジネスモデルをアップデートさせるための情報やアイデアは、当然にマーケットの変化にあります。

そこで必要な考え方が、本部と加盟店の役割分担です。
本部だけでアイデアを考えるのではなく、実際に消費者と対峙する加盟店の経験や知恵などのリソースを活用していく必要があるのです。

本部と加盟店の役割分担のイメージは以下のとおりです。
・本部 :幅広いマーケット環境の情報収集、分析、統計 等
・加盟店:消費者の声・要望、オペレーションの改善、地域情報 等

この両輪を機能させ、常に議論を繰り返し、次の事業アイデアを生み出していきます。
環境変化に適応し続けるためには、これを仕組み化していくことが大切です。

コンビニ本部などの大手FC本部は、資本力があり、かつ、世界中の情報を分析できる商社などがバックボーンとして存在します。
そのため本部自らがビジネスモデルや仕組みを再構築し、加盟店へ落とし込むことでアップデートを繰り返します。

しかし、経営資源が限られる中小規模のFC本部ではそうはいきません。
そのため、加盟店の持っているリソースをフルに活用するのです。

そして、本部と加盟店が協力しながら共に学び、共に成長していくには、本部と加盟店との間で「理念・ビジョン」が確実に共有されていなければできないことなのです。

(2)共に学び共に成長していく事例

サービス提供者と受け手の双方が共に学び、成長する過程を構築しようとしている事例として、最も過渡期にあるのが学校等の教育現場です。
コロナ禍で通学もままならず、小学生も1人1台の端末支給が前倒しで動きはじめるなど、オンライン授業の導入が一気に進みました。

ここで浮かび上がってきた課題は「デバイスを活用して教育を施す教師のITリテラシーや教師間の指導能力格差」です。教育指導要領で指定された教科書に基づき、決められた授業をやっていればよかった環境から、
・教師自ら新しい情報を能動的に獲得することが求められ困惑している教師や
・そもそもつまらない授業しかできない教師
等の存在が浮かび上がってきたのです。

しかもデジタルネイティブ世代の学生の方がITリテラシーの高いケースも散見され、教師にとっては過酷な時代となりました。

今まで教師と学生は上下関係で成り立っていたものが、フラットな状態へと近づいています。
教師が持っている情報だけでマウントが取れていた時代から、同じ情報の中でアイデアを出し合い、学生の成長を後ろからサポートする体制へと変化したのです。

これから教師に求められる資質は、学生と同じ情報の中で学生に寄り添い、学生の成長を後ろから後押ししつつも、教師も学生と一緒に成長していく姿勢です。

これが教育現場で起きている教育DXですが、全く同じことがFC業界にも起きているのではないでしょうか。

(3)いま求められている本部と加盟店との関係性とは

この2年で経営環境は一変し、複雑性、不確実性は加速度的に増しています。

例えば、コロナ禍の影響により、デジタル化・オンライン化に適したビジネスモデル構築が欠かせなくなりました。

その結果FC本部は、従来はリアル店舗のビジネスモデルのことだけを考えていればよかったものが、今後はリアル店舗に加え、デジタル・オンラインのビジネスモデルについても考えていかなければならなくなったのです。

リアル店舗とデジタル・オンラインの両面を掌握しなければならないとなると、仕組み構築を担当する本部の負担は倍増します。
これを中小規模のFC本部が単独で担うのは現実的ではありません。

従って、これからの時代のFC本部は、FC加盟店を店舗拡大の手段としてだけで考えるのではなく、情報分析、アイデア創出ができる真のビジネスパートナーとして考え、本部と加盟店が力をあわせてビジネスモデルやFCシステムのアップデートに取り組んでいくべきでしょう。

これからは、加盟店と真のビジネスパートナーとしての関係性を構築できる本部が勝ち残っていくものと考えます。

なお、フランチャイズ本部の立ち上げ方や成功のポイントについてついて詳しく知りたいかたはこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築の極意。5つの手順と成功する3つのポイント

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