立ち上げたばかりのフランチャイズ本部では加盟候補者は喉から手が出るほど飛び付きたくなる存在です。
しかし長い目で見て本当に自社のビジネスモデルで活躍できる加盟者なのかを見極めることも必要です。
本部・加盟店間でのトラブルが絶えない状況だと、利益を獲得するためのビジネスどころではありません。
トラブルの後始末に明け暮れることになります。そういった事態を避けるためにも、加盟者と同じベクトルでビジネスを成功させるためにも、加盟者とはどういう存在なのかを理解しておく必要があります。
今 回は、特にフランチャイズ業界で問題が発生しがちな個人加盟者との関わり方について考えてみたいと思います。
加盟希望者も人生いろいろ
加盟者には様々な方がいらっしゃいます。
脱サラして店舗ビジネスを目さす人、若い頃から独立を目指していた人、商売の経験者など、経験値は多種多様です。
ここで概ね共通している概念として「失敗・挫折の経験」を持ち合わせている点が挙げられます。
大手企業のサラリーマンで順調に出世を重ねている方はわざわざ独立する必要がありません。
商売経験者も既存の商売が順調に売上・利益を稼げていたのであれば、業種・業態転換する必要もありません。
そこを敢えてフランチャイズ加盟を希望するとうことは、何らかの失敗や挫折を経験して加盟候補者となっているのです。
次に加盟候補者の性質は大きく2つに分かれると考えておくべきです。
①起業家マインドを持った本質的に独立思考の方
②組織の様々な呪縛から逃れたいからFC加盟を希望する方
厳しい言い方になりますが、大半の個人加盟希望者が②のケースであることを心得ておくべきでしょう。
本当に独立を目指している起業家マインドを持った方は、自身でビジネスモデルを確立する思いや決意が強いはずです。
そのための資金調達や努力を惜しみません。
もしくは努力はできるが、現時点では起業の能力が備わっていないと言えるでしょう。
そう考えれば、FC本部は加盟者を日々育てていく気概がなければ成功しないことを意味します。②のマインドで加盟する方々は「負け癖・逃げ癖」が染み付いている可能性もあります。
本部はそういった境遇の加盟者と対峙することが大きな役割であることを認識しておくべきでしょう。
FC本部にも加盟店にも共通するNo2の存在
コンビニ業界の加盟店は、原則1店舗につき2名の専従者を要します。
昔で言えば夫婦でないと加盟させない時代もありました。
今では三親等以内親族への緩和や、法人内の社員であれば他人でも加盟できるなど変化しています。
ここで言えるのはNO2の存在です。
今でも夫婦で加盟されている加盟者は多いですが、奥様の力量が店舗の実績や体質に大きな影響を与えると言われてきました。
競合店と戦い、売上確保に力を注ぐ攻めの役割をご主人が担い、店舗スタッフのモチベーションを高め、特に女性の活躍を左右する人身掌握など、奥様が黒子になって担う店舗はS Vも安心して見ていられるものです。
こういった事例のように、夫婦でなくても店舗を切り盛りする上で最良のパートナーの存在にも目を向けておくことが重要となります。
これはFC本部にも言えます。
本部の立ち上げも経営者1人ではなかなかできません。
専門家の支援があるとしても、社内での信頼できるパートナーの存在は必須です。
事業会社の経営となると目を配るステージは無数にあります。
更にフランチャイズビジネスとなると、ビジネスモデルの見直しや競合他社、マーケットなどの攻めの目線と、加盟店をマネージメントする視点と両方が必要となります。
それだけフランチャイズビジネスは高度であるということです。
まとめ
FC本部も加盟店も最良のビジネスパートナーは成功の鍵を握ります。
自社内のビジネスパートナーであれば、同じ志で意気投合して起業するケースも多いですが、加盟店としてのビジネスパートナーは見極めが難しいです。
トラブル対応も覚悟の上で早期に加盟店を獲得するのはアーリーステージの企業にとっては必要な選択かもしれません。
それを乗り越えるのも会社を大きくしていくステップとも言えるでしょう。
しかし早期の成長が求められる時代です。無駄な動きを避けるに越したことはありません。
加盟店の選定は慎重であることをお勧めします。