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事業再構築補助金を活用したフランチャイズ加盟について考える

知り合いから「事業再構築補助金を活用してフランチャイズ加盟させてほしい」と相談がありました。
以前からフランチャイズ展開に興味があったので、これを機にフランチャイズ展開の準備をすべきかどうか迷っています…。

これは先日フランチャイズ展開の進め方について、オンラインでご相談をお受けした飲食店経営者からいただいたご相談内容です。

今年の中小企業支援施策の目玉である事業再構築補助金。
補助金額が通常の支援施策と比べて大きく、かつ通常では対象になりにくい店舗内外装工事費なども補助対象となることから、事業再構築補助金を活用してフランチャイズ加盟し、事業を立て直したいと考える企業も多いようです。

事業再構築補助金を活用することで、加盟希望者の初期投資負担が減るため、フランチャイズ本部にとっても加盟店確保がしやすくなるメリットがあります。
本部にとって、当該補助金制度の存在は加盟者を獲得する追い風といえるかもしれません。

しかし一方で、事業再構築補助金をフランチャイズ加盟に活用するにあたっては注意しなければならない点があることもまた事実です。

そこで、今回は、事業再構築補助金を活用したフランチャイズ加盟について考えてみたいと思います。

なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築の極意。5つの手順と成功する3つのポイント

フランチャイズ加盟を補助金の対象とするのは簡単ではない?

まず、前提としておさえておくべきことは国や自治体が用意している中小企業向けの補助金制度は、フランチャイズ加盟と相性が悪いという事実です。

国や自治体が用意している中小企業向けの補助金制度の多くは、補助対象事業の条件として「申請企業の強みを活かした事業であり、独自性や独創性があること」を求めています。
つまり、加盟希望者の強みを発揮でき、かつ独自性や独創性があることが、補助金制度を活用する前提となるのです。

しかし、そもそもフランチャイズという仕組みは、フランチャイズ本部が構築した成功する仕組みに基づいて加盟者が事業運営するものです。極端な話、加盟希望者がフランチャイズ事業に対して知識や経験がまったくなかったとしても、一定の成果を出すことができる仕組みが、フランチャイズシステムなのです。
また、当該フランチャイズチェーンという仕組み上、加盟店単体で考えれば独自性や独創性を発揮しにくい特徴もあります。

ですから、フランチャイズ加盟の場合、中小企業支援施策で求められる「申請企業の強みを活かした事業であり、独自性や独創性があること」という要件を満たすことが非常に難しくなります。審査員によっては「フランチャイズ」と聞くだけで心象が悪化し、評点が下がるケースもあるようです。

そのため、採択審査においてフランチャイズに加盟する事業は不利な立場に立たされることになり、結果として補助金制度で採択を勝ち取ることが難しくってしまうのです(もちろん、フランチャイズ加盟だからといってすべてが不採択となるわけではありません)。

そもそも「補助金ありき」のフランチャイズ加盟は危険

このように、フランチャイズ加盟に対して事業再構築補助金を活用することは、決して簡単なことではありません。
フランチャイズ本部としては、手間と時間をかけて加盟交渉を進めていったにもかかわらず、補助金が不採択になってすべての話が白紙となる…といったことが無いよう注意しておく必要があります。

また、「補助金ありき」のフランチャイズ加盟希望についても注意が必要です。

確かに、補助金を活用することで、フランチャイズ加盟に必要な初期投資負担が減るため、加盟希望者のフランチャイズ加盟に対するハードルは下がります。しかし、それと同時に、加盟希望者のフランチャイズ事業に対する覚悟も薄まってしまう危険性があります。
特に、「補助金が採択されたら加盟しよう」と考えているような場合は、そのリスクが高くなるでしょう。

考えてみれば当たり前のことですが、「すべて自分のお金でやろう」と考えている人と、「補助金があったらやろう」と考えている人とでは、前者の方が当該事業に対する本気度は高くなるのです。

この本気度の違いは、フランチャイズ加盟後の成功確率に直結します。

ですから、フランチャイズ本部としてはこの点に注意を払い、必要な対応を講じていくべきでしょう。

補助金がなくともフランチャイズ加盟する覚悟を問う

それでは、補助金を活用してフランチャイズ加盟を希望している人に対して、フランチャイズ本部としてどのように対応するべきでしょうか。

この点、弊社としては、加盟希望者に「仮に補助金が不採択であった場合にどうするか」を確認し、
・補助金不採択の場合には加盟しない方は加盟をお断りする
・補助金不採択時にも加盟をするという方は、採択結果発表前にフランチャイズ契約または合意書を交わす
といった対応をすべきではないかと考えます。

これは、フランチャイズにかかわらず、どのような事業であったとしても、成功するためには経営者の覚悟が求められると考えるためです。

「補助金があったらやろう」という考えには、本気の覚悟などありません。
ですから、フランチャイズ本部から加盟希望者の覚悟を問い、本気の覚悟を持っている方だけを加盟させていくのです。

このように加盟希望者の本気度をしっかりと見極めていくことが、後々のフランチャイズ本部と加盟者間のトラブルを予防することにつながっていくのです。

まとめ

以上、今回は業再構築補助金を活用したフランチャイズ加盟の考え方をご紹介しました。

事業再構築補助金は、フランチャイズ本部にとって、加盟者を獲得する追い風となりますが、「補助金ありき」のフランチャイズ加盟希望者を受け入れるような行為は、後々のフランチャイズ本部と加盟者間のトラブル発生リスクを高めることにもつながりかねません。

フランチャイズ本部としては、中長期的視点から本部と加盟者がWin-Winの関係性となれるよう、加盟希望者の本気度をしっかりと見極めるべきでしょう。

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