焼き鳥店「鳥貴族」をチェーン展開する鳥貴族ホールディングスが、店内飲食に加え、テイクアウトや宅配、ドライブスルーにも対応するチキンバーガーの専門店「TORIKI BURGER」を開業することを発表しました。
鳥貴族ホールディングスは、新業態としてチキンバーガー専門店「TORIKI BURGER(トリキバーガー)」を出店すると発表した。新型コロナウイルス禍で居酒屋「鳥貴族」の既存店売上高が落ち込んでおり、持ち帰りや宅配への対応を強化する。
コロナ禍を受けて見直して発表した中期経営計画に盛り込んだ。トリキバーガーは8月に東京都内で1号店を開業する予定。2024年7月期までに10~20店の出店を目指す。将来的にフランチャイズチェーン(FC)展開も視野に入れる。
中計の最終年度にあたる24年7月期の売上高は従来の450億円から370億円に引き下げた。海外市場への進出目標も取り下げ、国内事業の回復と新規事業の展開に注力する。出典
2021/03/10 日経MJ(流通新聞) 11ページ
鳥貴族HD、新業態「トリキバーガー」、持ち帰りや宅配強化。
同社の主力業態である「鳥貴族」が新型コロナの影響で業績が悪化し、回復の目途が立たないことから、コロナ禍においても売上確保が可能なファストフード業態を新たに展開することを決断したようです。
ファストフード業態は、イートイン売上に加え、テイクアウト、宅配、ドライブスルーと複数の収益の柱を有し、コロナ禍においても好調な業績を上げています。実際、ファストフード最大手のマクドナルドは、20年12月期の営業利益が過去最高を更新しています。外食業界において、コロナ禍においても一定の業績を上げることができる数少ない市場といえるでしょう。
とはいえ、ファストフードの歴史は長く、業界には最大手のマクドナルドをはじめ、大手チェーンが数多く存在します。また、コロナ禍で注目が集まった分、今後も参入が増加していくことが予想されます。
その一例として、焼肉大手チェーン「牛角」創業者の西山知義氏がプロデュースしたフードテックを駆使したテイクアウト専門グルメハンバーガーショップ「ブルースターバーガー」があげられます。コロナ禍でも業績を確保できるとは言え、ファストフード業界内の競争に打ち勝つことはそう簡単ではないでしょう。
飲食業の中でも競争環境が熾烈な焼き鳥市場において、600店舗超の多店舗展開を進めてきた同社ですが、ファストフード業態ついてのノウハウはこれから蓄積していくものと考えられます。
同社が、焼き鳥業態のようにファストフード業態でも多店舗展開を進めていくことができるのか。今後の動向が注目されます。
なお、ポストコロナ時代に選ばれるフランチャイズ本部について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。