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「不平等契約」と言われるフランチャイズ本部によるドミナント出店戦略について考える

今回は、フランチャイズシステムにおいて度々問題として上がる、フランチャイズ本部による「ドミナント出店戦略」について取り上げます。
ドミナント出店戦略が本当に問題なのか、問題の本質はどこにあるのか、考察してみたいと思います。

なお、フランチャイズ本部つくりや成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築の極意。5つの手順と成功する3つのポイント


フランチャイズ本部主導のドミナント出店戦略とは

フランチャイズチェーンで度々問題となるのが、本部によるドミナント出店戦略です。

ドミナント出店戦略とは、特定の地域に店舗を集中的に展開することで、以下のような効果を得ることを目的とした戦略です。
①地域での自社ブランド認知・価値の向上
②地域のマーケットシェア獲得と維持
③物流の効率化、配送コスト低減
④スーパーバイザーの業務効率

これらの効果を並べると、ドミナント出店が、チェーンストアにとって非常に有効な競争戦略であることがご理解いただけると思います。

ですからフランチャイズ業界で問題となる本質は、ドミナント出店戦略ではなく、戦略の実行段階に課題があるということです。

つまり、本部が出店する際に既存加盟店に対する配慮不足や、既存加盟店が本部のドミナント戦略の一部として、本部とともに、競合するチェーンと戦える体制になっていない、という点ではないでしょうか。

司法・行政も動き出したドミナント戦略出店への拘束力

行政も、以下のように、大手チェーン本部によるドミナント出店戦略の実行により、顕在化した課題への取り組みに動き始めています。

(行政の動き)
・2019年3月:大手コンビニ各社へ、人手不足対策に対応した行動計画の提出を指示
・2020年1月:ドミナント出店も含めた、本部・加盟店間の取引等実態調査を指示
・2020年2月:新たなコンビニ検討会報告書

ここでは既存加盟店への配慮を意識しています。
2022年4月の中小小売商業振興法施行規則により、ドミナント出店の有無およびその内容についての情報開示が義務付けられます。

公正取引委員会によって出されたフランチャイズガイドラインでは、事前の取決めに反するドミナント出店行為は、優越的地位の濫用に当たると示されています。

以上のことから、各フランチャイズ本部は、情報発信や加盟店との約束・配慮について、これまで以上に規制を意識したドミナント出店戦略を立てる必要があります。

圧倒的な支持を受けているローカル飲食チェーンの存在

フランチャイズ業界での規制は強まる傾向にはありますが、多店舗展開を進めるうえでは、ドミナント出店は重要です。

その有効性が顕著な例、つまりドミナント出店により、一定の地域だけで圧倒的な支持を得ている例として、以下のような飲食店があります。

・ラッキーピエロ(北海道・ご当地バーガー)
・餃子の満州(埼玉)
・フライングガーデン(群馬・ステーキ)
・ルーパン(埼玉・ピザ)
・ブロンコビリー(愛知・ハンバーグ・ステーキ)
・来来亭(滋賀 ・ラーメン)
・ばんどう太郎(北関東・鍋・丼・麺)
・ステーキハウス88(沖縄・ステーキ)
・ハングリータイガー(神奈川・ハンバーグ)

ドミナント出店で集中的に認知度を高め、長期の営業により支持を少しずつ獲得していく戦略により、一定の地域で知名度を上げた成功例です。

地域を分散して出店していては、ブランド競争力はおそらく獲得できていなかったでしょう。

大手企業が中心のコンビニ業界にも、異彩を放つ企業があります。
北海道を拠点とする「セイコーマート」です。

1000店ほどの店舗数であるため、大手の10分の1以下の規模です。
しかし出店地域では圧倒的な支持を受けています。
お客様満足度は常にセブンイレブンを上回る存在なのです。

この企業の場合、地域での原材料生産やPB商品の製造、物流なども自社で賄うことから、一般的な大手コンビニエンス本部よりも、地域経済に与える影響や存在感も大きいため、単純に比べられませんが、地域での存在価値を企業活動全体で高めて強みを発揮できているロールモデルと言えます。

上記の企業の特徴は、一定の地域での圧倒的な消費者からの支持です。
しかし他地域の消費者には全く知られていないブランドであったりします。
この効果こそ、「ドミナント戦略出店」の成果です。

最近ではT V番組(秘密のケンミンショー、アド街ック天国)などで、地方の有力な飲食店等が紹介されて関心を集めています。

ちょっとその地域に足を運んでみようとするマイクロツーリズムの効果も有りそうです。

まとめ

以上の例からも、決して「ドミナント戦略出店」そのものが否定されるものではないことはご理解いただけると思います。

企業経営とは、マーケットの獲得競争である以上、競合に出店されれば加盟店も本部も打撃となります。
指を咥えて競合の出店を迎え、みすみす売上が下がるのを許容するという、愚かな戦略はありません。

だからこそ、フランチャイズ本部としては、自社のドミナント戦略での出店の手法、加盟店との協議、加盟者が複数店を経営できる体制などを整え、既存加盟店に配慮した工夫を予め用意してから、戦略を実行に移すというステップが必要なのです。

そしてこれから多店舗化を始めるフランチャイズ本部の場合は、まずはドミナント出店で地域における知名度を上げてブランド力を高め、全国展開を考えることもよいのではないでしょうか。

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