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フランチャイズ本部に求められる契約終了時の対応とは

フランチャイズ・システムは、フランチャイズ契約に基づいて本部と加盟店が運営し、ビジネスパートナーとして対等な立場が保証されているものです。

しかしそこには契約期間が定められており、関係が永遠に継続するわけではありません。

円満に終了する場合もあれば喧嘩別れとなるケースもあります。

今回はフランチャイズ契約を終了させる際の様々な事例をもとに、フランチャイズ本部に求められる対応やフランチャイズ契約書に盛り込んでおくべき内容について触れていきます。

なお、フランチャイズ本部つくりや成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築の極意。5つの手順と成功する3つのポイント

フランチャイズ契約終了の種類

フランチャイズ契約を終了させる方法は概ね4つのケース(条項)に分けられます。
「契約満了終了」
「中途解約」
「契約解除」
「合意解約」

今回は「契約満了終了」と「中途解約」について事例をご紹介します。

フランチャイズ契約期間満了

これは最もシンプルな契約終了のパターンです。
フランチャイズ契約期間が定められているため、互いに納得の上で契約を終了させることができます。

ここでのポイントは2点です。

①フランチャイズ契約期間の設定

本部の立場からすると、優秀な加盟者には契約を継続してもらい、売上やマーケットシェア維持に努めたいものです。

新規加盟者を募るコストよりも本部の利益を確保できるからです。

契約期間設定の前提は加盟者の投資回収期間以上であることが必要です。
モデルケースの加盟店投資回収が5年なのに、3年契約のフランチャイズ契約は設定できません。

しかし競合やマーケットの変化により現在の商圏がいつまでも安泰であるはずもなく、15年や20年の契約期間は現実的ではありません。

場合によっては本部の意向で店舗を物理的に移動させたいケースも出てきます。
そういった意味ではフランチャイズ契約期間は昔と比べて短くなってきている印象です。

②期間満了時の判断基準

①とは逆に、加盟者が適切なビジネスパートナーでないと判断した場合、期間満了で終了させる必要があります。
ここでの注意点は「更新」と「再契約」の考え方です。

「更新」は期間満了時に自動更新と解釈される恐れがあります。
賃貸住宅で借主側の住む権利が守られているケースと似ています。

本部にとって適切なビジネスパートナーではないと判断したとしても、加盟者側に相応の過失等がなければ加盟者が守られることがあります。

このビジネスが加盟者側にとっての生業であれば、契約を終了させられることで加盟者やそこのスタッフの収入が途絶えるためです。

契約を終了させるにもそれ相応の理由を本部が準備しなければなりません。

この防御策として、「更新」ではなく「再契約」としておく事が一つの手段となります。
「再契約」は、契約期間終了後に新たに契約を結び直す工程がありますので、前期間のフランチャイズ契約は一旦終了させることができます。

中途解約

これは双方の様々な事情から、契約期間の満了を待たずに終了させる条項です。
この条項は、書面での解約告知期間と中途解約金を設定します。

告知期間は3ヶ月前・6ヶ月前・1年前など、終了工程、次の加盟者への引き継ぎ工程の期間を鑑み、業種・業態によって異なります。

中途解約金は、加盟者の途中離脱を未然に防ぐ担保として設定できますが、莫大な中途解約金は裁判では退けられています。

条項自体を無効とされます。
経済的な力関係や契約に至った経緯、公序良俗の範囲の中で判断されています。

「告知期間」と「中途解約金」の設定はフランチャイズ契約に必ず記載しておかなければなりません。

これが互いに契約を長期に継続させるための抑止力になるからです。
しかし実は「中途解約」条項の大事な点は契約書に記載されていない所にあります。

それは「中途解約の申し入れ」を甲(本部)乙(加盟者)のどちらが申し入れたかです。
「中途解約条項」の違約金や解約金は申し入れた側が支払うのが原則です。

店舗運営を続けていく中で双方が微妙な関係であり、互いに袂を分けたほうがいいと感じているようなケースでは、どちらが申し入れをするかの微妙な駆け引きも発生します。

相手に「中途解約の申し入れ」をさせることを目指し始めます。

現場で日々加盟店と対峙しているのはスーパーバイザーです。
このスーパーバイザーの不用意な一言で「本部側の中途解約の申し入れ」があったとされれば、中途解約金を支払うのは「本部」となります。

したがって、スーパーバイザーにもフランチャイズ契約書をしっかりと理解させて、加盟店指導時の発言には注意を払うよう、教育が必要なのです。

まとめ

フランチャイズ契約を終了させるにも様々なケースがあります。
円満に終了することがベストですが、互いに利益を分け合っているフランチャイズビジネスにおいては、契約を終了させるにも一苦労があるものです。

あらゆる場面を想定してフランチャイズ契約書を作成する必要があり、更に契約書の外で繰り広げられる契約書の運用ややりとりまで含めて想定が必要です。

これらを踏まえると経験値のある専門家の知見を借りて、フランチャイズ契約終了時の自社の対応を再点検してみるのもよいでしょう。

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