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フランチャイズ本部が想定しておくべき契約終了時の清算業務とは

フランチャイズ契約は、本部と加盟者が「期間を定めてビジネスパートナーとなる契約」です。
当然ながら様々な理由で契約終了の時期が訪れます。

フランチャイズ契約終了には多くの清算業務があり、清算金額の確定においてトラブルも発生します。

今回はフランチャイズ契約の終了時における各種清算事案にスポット当てて、本部が想定しておくべきことを確認しておきたいと思います。

なお、フランチャイズ本部つくりや成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ化のメリット・デメリットや変化するFC展開のあり方とは?


フランチャイズ契約終了時における様々な清算業務

フランチャイズ契約終了時に「加盟者側の経済的負担」は以下のとおりです。
本部としては、これらが加盟者に発生することをあらかじめ理解しておくことが大切です。

①中途解約金・解除金

直接的に最も負担の大きい経済的条項となります。契約締結前には確認が必要です。
しかし投資回収も済み、新たな事業により大きな魅力があれば、あえて中途解約金を支払って解約する場合もあるでしょう。

②初期投資額、金銭消費貸借契約

フランチャイズ契約を中途解約しても、一切戻ってこず、借入があれば借金だけが残ります。

③オープンアカウント

この制度を採用している本部に加盟すれば、加盟者債務(本部債権)があった場合に、最終清算金から相殺されます。加盟者の最終月の収入が無くなることもあります。

④加盟金・保証金・研修費等

フランチャイズ契約を締結して初期投資をすれば、原則戻らない費用です。
一方で、追加は発生しない費用なので、契約期間が長くなれば、投資に対する費用対効果は高まっていくものです。

⑤什器・商品の処分費用

高額什器や加盟者資産の商品は注意が必要です。
フランチャイズ契約が終了した途端に価値が無くなります。転売できればよいのですが、本部でカスタマイズされたものも多く、中古品の価値に期待ができません。

また賃借していた店舗物件に放置しておくこともできないため、多額の処分費用が発生します。
什器等が高額でリース契約で使用していた場合は、リース残存期間のリース料も支払わなければなりません。

⑥原状回復費用

原状回復には、内外装や看板の撤去、電気工事等が必要で、数百万の費用負担が見込まれます。
なお、後続のテナントが継続使用できるのであれば交渉の余地はあります。

⑦従業員給与、税金・社会保障費

給与支給サイクルのタイミングにより、従業員給与の支払いは最終営業日の翌月まで発生します。
また住民税や健康保険料は前年度の収入が計算の基礎となるため、事業終了の翌年は予想以上の支払いになる場合があります。

⑧当座の生活費

次の事業が決まっていればまだ安心ですが、それも軌道に乗る保証もありません。
なので当座の生活費を準備しておく必要があります。

本部と加盟者の各々が注意しておくべき点

本部側の注意点

本部にとっては加盟者が多いことが利益の拡大につながります。
そのため加盟者が安易にフランチャイズ契約を解約できない仕組みを作っています。

例えば、契約期間、解約予告期間、加盟者初期投資額、中途解約金、競業避止義務、オープンアカウント制度などで、加盟者を拘束できる仕組みを作ってきました。

しかし過去の判例では、著しく不平等で加盟者に不利益と見なされる条項は無効とされています。

適正な期間や加盟者負担を、公序良俗に従って設定する必要があります。
例えば通常営業で加盟者が獲得できる利益からあまりにもかけ離れた高額な解約金等は認められないということです。

加盟店側の注意点

一方で過去の事例から、加盟者側もあまりにも勉強不足であるケースが多々あります。
「聞いていない」「知らなかった」等、フランチャイズ契約書の理解をせずに加盟している方が多いことに驚かされます。

また契約期間中に「契約終了時に発生する経済的負担」を、加盟者はあまり認識していないようです。

勉強不足と言ってしまえばそれまでですが、店舗運営に忙殺されるかたわら、そこまで考えるだけの余裕がないのも現実です。

そこで常日頃から、こういったことも経営アドバイスの一環として、本部の役割としてスーパーバイザーが担うことをお勧めします。

店舗運営のオペレーション指導だけでなく、こういった経営指導がスーパーバイザーの価値や質を上げ、本部利益の源泉であるロイヤリティを高く設定できるでしょう。

まとめ

今回は本部側と加盟店側の双方の立場から、「契約終了時」に注意しておくべき点に触れました。

フランチャイズ契約は互いに儲かることが大事であり、フランチャイズ契約終了時も円満に終了できることがベストです。

フランチャイズ契約において、裁判は最終手段ですが、双方にとって生産的な手段ではありません。
可能なかぎり円満な契約終了を迎えてほしいと考えます。

そのためにも、本部は過去の判例も踏まえてフランチャイズ契約をブラッシュアップし、加盟者とコミュニケーションをとりながら、加盟者の気づいていない点まで指導、アドバイスできる体制づくりを目指していただければと思います。

そしてフランチャイズというビジネスモデルがもっと社会に認められて発展し、業界全体が健全化していくことを願っています。

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