宅配や出前に特化した唐揚げ専門店の出店が加速しています。
宅配やテークアウトに特化した唐揚げ専門店が増えている。飲食店運営のGlobridge(グロブリッジ、東京・港)は唐揚げのネット宅配店を6月に37カ所開設した。居酒屋大手のワタミも唐揚げ専門店を2021年3月までに100店に増やす。コロナ禍で店内飲食を控える一方で、自宅での調理疲れに悩む世帯も多い。各社は手軽に食べられる唐揚げで「中食」需要などを開拓する。
出典: 宅配・持ち帰り、唐揚げ店熱く、1カ月で37店出店も、自炊疲れ需要開拓、20年、1000億円市場に。2020/07/03 日経MJ(流通新聞) 11ページ
新型コロナウイルス感染症の影響により宅配や出前に対するニーズが高まる中、おかずやおつまみ、おやつといった幅広い用途に対応でき、国民食といっても過言ではない唐揚げの宅配や出前サービスが、幅広い世代から利用されているようです。
株式会社富士経済が6月11日に発表した「外食産業国内市場に関する調査結果」によると、2020年の唐揚げの国内市場規模は2019年比23.1%増と見込まれています。
外食業界全体が苦境に立たされる中、大手企業を中心に店舗展開を加速する動きも見られます。
ここでポイントとなるのが、この唐揚げ市場の拡大が、一時的なものなのか、当面継続するものなのか、という点です。
外食業界では、急速に伸びていた市場があっという間に競争過多に陥り、大規模チェーンでも大量閉店に追い込まれるケースが過去に何度も発生しています。
これから店舗展開を加速する、もしくは参入する場合には、この点を十分に検討しておくべきでしょう。
弊社の感覚としては、当面、唐揚げ市場の拡大はつづくように思います。
しかしながら、市場が拡大し、専門店が増えれば、味だけで差別化し続けることは難しくなるでしょう。
競合店が増えた際に、明確な差別化ポイントを持てるかどうか。
これが長期的な事業の継続・発展を左右するものと考えます。
この問いに明確な答えが出せないブランドやチェーンは、数年後には苦境に立たされるものと予想します。
過去の歴史から考えても、市場が伸びているからといって安易に参入する行為は慎むべきでしょう。
なお、フランチャイズ本部つくりや成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。