フランチャイズ本部がパートナーとして選ぶべき人・選ぶべきではない人
フランチャイズ本部を立ち上げる際、オーナーになっていただく人の人間性については意外と見落としがちですが、実はとても重要なポイントです。
その理由は、「お店に訪れるお客様を裏切ることになる」からです。
ここが本質なのですが、お客様を裏切ることになるということは、フランチャイズ本部のブランドが汚れること、そして不祥事などによって経営自体が危うくなってしまう可能性があるからです。
つまりこれらが「お客様を裏切ることになる」に繋がってしまいます。
こういったリスクを回避するために、今回は「フランチャイズ本部がパートナー(加盟店)として選ぶべき人と選ぶべきではない人」についてお話していきます。
なお、フランチャイズ本部の立ち上げ方について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
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パートナーとして選ぶべき人
フランチャイズの場合は、本部のブランド、看板、商品やサービス、マニュアルを提供し、加盟店はこれらを使って経営を行なっていきます。つまり、加盟店は本部が定めたルールを守らなければなりません。
これが前提条件となります。
ルールを守れる人
マニュアルに従ってもらわなければ、飲食店であれば本部と同じ味を出すことができません。
商品の質だけではなく、あらゆるトラブルを想定して本部はマニュアルを作っているので、そのマニュアルに従ってもらわなければ意味をなさない物となってしまいます。
こういった人を見た目で判断するのは難しいのですが、比較的「プライドの高い人」がこの傾向にあります。
前職が何らかの経営者であっても、サラリーマンであっても、そこそこの成果を残していて、「自分の手腕によるものだ」と感じている人は危険です。
イエスマンというわけではなく、分からないことをしっかりと質問をする人で、なおかつ素直な人かどうかを説明会や展示会などで見極めましょう。
嘘をつかない人
フランチャイズ本部と加盟店の関係はビジネスパートナーであり、信頼関係がとても重要です。
「嘘」というのは信頼を失う行為だけでなく、嘘や隠し事によってお客さんに被害が被ってしまうかもしれません。
お客さんに被害が被れば、当然その加盟店にも、そして本部にも被害が及びます。
まずはフランチャイズ本部が「お客様のリスク」をどれだけ考えられるか、それにより事業計画書や経営理念、そしてマニュアルも変わってくるはずです。
その本部の意思や意図、理念を心から共感してくださる人とお付き合いをしてください。
「自分だけが儲かれば良い」という考えは、外部の人だけでなく、自分自身の身も滅ぼしかねません。
これも見た目で見抜くのは難しいです。
嘘をつく心理としては、「バレたら怒られる」「バレたらがっかりされる」「期待を裏切りたくない」といった心理があります。
こういった心理が芽生える原因は主に幼少期にあります。
過保護な親、そして過度な期待をする親、失敗をすると激しく怒る親に育てられた子供はこういった心理になりやすい傾向があります。
パートナーとなる人の幼少期の話まで掘り下げていくことは難しいかもしれませんが、世間話の感覚で「小さい頃、どんな育てられ方をしたか」などを聞いてみるとヒントが見つかるかもしれません。
とはいえ、嘘をつかれたくないのなら、自分自身が絶対に嘘をつかないことです。
他人の幸せを考えられる人
人間は皆自分自身が可愛いのですが、自分を一番に考えているからこそ、他人の幸せを考える人がいます。
つまり、他人を幸せにすることで自分が幸せになれるという考え方です。
これがマーケティング思考であり、こういった思考の持ち主であれば、お客さんを大切にするだけでなく、自分の会社、従業員、本部、そして売っている商品をも大切にできます。
こういった人を集めるのは難しいと感じるかもしれませんが、上記の2つも含め、「スクリーニング」を徹底して行なっていくことで実現しやすくなります。
スクリーニングというのは「選別」という意味であり、「こういう人と付き合いたい」「こういう人とは付き合いたくない」という線引きを明確に行ない、それらを告知していきます。
ハッキリと「こういう人は来ないでください」と言いづらい人は、「弊社の理念は◯◯なので、これに共感してくださる方に来てほしい」ときちんと伝えましょう。
パートナーとして選ぶべきではない人
上記の「パートナーとして選ぶべき人」で挙げた人とは逆のタイプの人を選ぶべきではないのはもちろんですが、この他にも「こういう人は危険」というタイプをお話します。
精神が不安定な人
精神の乱れは経営の乱れ、経営の乱れは精神の乱れでもあります。
普段から精神が不安定な人は、その精神による影響が日常でも大きく、経営に影響してくる可能性が高いです。
うつ病や統合失調症の人は選んではいけないというわけではないですが、できるだけ精神が安定した人を選んだほうが、突発的なトラブルにはなりにくいです。
また、1人で行なう業態であれば、定休日以外の日に休まれてしまえばマニュアルに反してしまうかもしれませんし、従業員を雇う業態であれば、そのパートナーは従業員の教育や管理まで行わなければいけません。
本部としてサポート体制が万全であれば良いですが、そうでない場合は「相手の精神」にも注意して見ていきましょう。
少しでも信頼に欠けるなにかを感じる人
フランチャイズ本部のブランドや看板、商品やサービスを提供している以上、パートナーに不祥事を起こされてしまえば大打撃を受ける可能性があります。
パートナー選びの段階で、少しでも信頼に欠けるなにかを感じたら、その不信感や違和感が拭えるまでしっかりとヒアリングを行ない、コミュニケーションを取ってください。
それでもその不信感や違和感を拭うことができなければ、本部としての責任にも関わってくる部分ですので、お断りしたほうが良いでしょう。
自分が信頼していた人から裏切られるのと、自分が信用していない人から裏切られるのとでは、どちらのほうが納得できますか?
おそらく多くの人が、信頼していた人から裏切られたほうが納得できるはずです。ショックはもちろんショックでしょうが、納得でいえばそうだと思うはずです。
フランチャイズ本部の役割を明確に
フランチャイズ本部がパートナーとして選ぶべき人と選ぶべきではない人についてお話してきました。
人間関係ですからとても難しいと思いますし、最初からすべてを見抜ける人はいません。
そのため、フランチャイズ本部として、本部の経営者として、その判断基準を自分自身の中で確立させることが大切です。
それが本部の役割の1つでもあると思います。
その他、フランチャイズ本部の役割については下記の記事にまとめていますので、ぜひ併せてご覧になってみてください。