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ファミマが加盟者募集時の説明を強化。フランチャイズ本部に求められる説明責任を果たす姿

コンビニフランチャイズ大手のファミリーマートは、2020年9月に公正取引委員会が発表した「コンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査」の結果を踏まえ、加盟店募集時における勧誘方法等の見直しを行うことを発表しました。

ファミリーマートは11月30日、公正取引委員会から加盟店募集時における勧誘方法、フランチャイズ契約締結後の加盟店との取引方法について点検・改善を行い、内容を報告することを求める旨の要請書を受領したことを受け、改善に向けた取り組みを発表した。

同社としては今回の公正取引委員会の調査結果を真摯に受けとめ、独占禁止法、フランチャイズ・ガイドライン遵守に関する社員教育を再度徹底するとしている。

2020年11月より組織ごとの研修を順次開始しており、12月には全社員を対象とした研修(e-Learning)を実施予定だ。

また、既存ルールの遵守を徹底するとともに、見切り販売への対応、店長ヘルプ制度の改善などの新たな取組を早期に進めていく。

2020年11月30日 流通ニュース
ファミリーマート/公取要請受け、加盟募集時の説明強化・見切り販売改善
https://www.ryutsuu.biz/strategy/m113018.html

発表された取り組み内容には、仕入れを強制する行為の防止、見切り販売の柔軟化、全店24時間営業体制の見直しなど、コンビニ特有の問題が多く含まれていますが、「加盟者を募集する際の説明を強化する取り組み」については、すべてのフランチャイズ本部にとっても参考となる内容といえます。

加盟者募集時の変更点について、ファミリーマットが発表している内容は以下のとおりです。

  • フランチャイズ契約書を加盟希望者に渡してから契約締結までに2週間以上の検討時間を設ける。具体的には、フランチャイズ契約書を説明の1週間以上前に渡し、事前に読み込んでいただいた上で読み合わせを実施。その後、1週間以上の検討事項を設けて、フランチャイズ契約を締結する。
  • モデル収支の提示にあたっては、モデル収支算定の根拠や、立地条件・経営環境による実態との乖離可能性などを、フランチャイズ契約書を渡す前に十分に説明をする。また、説明する本部担当者は、一定以上の経験を有する管理職に限定することで、本部の説明責任を果たす。
  • コンビニ事業にとって大きな問題となっている人手不足の状況についても、店舗状況を踏まえて、必要に応じて適切な説明を行う。

また、コンビニ最大手のセブンでは、加盟希望者を募集する際に担当者によって説明内容にばらつきが生じぬよう、動画等を活用して、すべての加盟希望者に、同一の情報を提供っできる体制を整えるようです。

フランチャイズ本部は、加盟希望者と比べて、展開する事業内容について圧倒的に多量のノウハウや情報を有していますから、それらの情報を加盟希望者に適切に伝え、加盟希望者が適正な判断ができるよう努めることは、本部の義務といえます。

その点から考えれば、今回コンビニ大手が発表した加盟店募集時における本部の説明責任を果たす取り組みは、コンビニフランチャイズ本部だけではなく、フランチャイズ展開をしているすべての企業が積極的に取り組むべき内容だと考えます。

このような姿勢を持つフランチャイズ本部が増えていくことが、フランチャイズ業界の中長期的な発展につながっていくのではないでしょうか。
各社の今後の取り組みが期待されます。

なお、加盟店募集時の基本的な流れを知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ加盟店募集の基本的な流れとそのポイント

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