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フランチャイズ本部の構築 法定開示書面に見る加盟店獲得の壁

加盟希望者が加盟判断をする上で最も知りたい情報は、当該チェーンの店舗数や売上、その推移です。
成長企業であればその恩恵に預かりたいと思いますが、成長が止まっている企業に加盟しようとは思いません。
加盟希望者が正しく判断するためには、本部による正確な情報開示が必要です。
今回はそれが加盟店獲得に影響する事例を紹介します。

FC本部の成長性を図る指標(法定開示書面の必要項目)

法定開示書面に記載する必要のある文章のうち、加盟店獲得に影響する情報としては以下のようなものが挙げられます。

売上高・店舗数推移

売上高や店舗数の推移は加盟希望者が最も興味のある指標です。
チェーンの成長性を図る上で重要だからです。

ここでのポイントは直営店と加盟店、その合計を提示することです。
アーリーステージの本部であれば加盟店の実績は記載できないケースもありますが、加盟者が存在する場合は必ず分けて記載します。
なぜなら直営店のモデルケースでは実績が高くても、加盟店になった途端に実績が悪いと意味がないからです。
直営店での実績に再現性がなければ、FCビジネスは成り立たないのです。

中小小売商業振興法での施行規則では、売上高・店舗数の推移は3年分とされていますが、日本フランチャイズチェーン協会では自主基準として4年分の掲載を提唱しています。
前年度や特定の単年度のみを記載しても信用度は低いでしょう。

立地環境・外的環境の特需などがあり、たまたま実績が良かった年もあります。
実績は1年では図れないということです。
同じビジネスモデル、かつ3年間の収益性が確認できなければ、信用に値する実績とは言えません。

加盟者の店舗に関する事項

この部分は、加盟者が一定数存在しているFC本部が提示する内容となります。
当該チェーンが加盟者にとって本当に魅力のあるチェーンであるのかを見極める指標となります。

① 直近3年で新規加盟した加盟者の店舗数
② 直近3年で中途解約や契約解除となった店舗数
③ 直近3年でFC契約が更新(再契約)した店舗数

新規加盟者が年を追うごとに右肩上がりに推移していれば成長性を測れます。
一方で中途解約や契約解除となった店舗数の数は、加盟希望者にとって大きなリスクと映ります。
FC契約の更新や再契約の数や比率が高いと、加盟者にとって安心して事業を継続できることを意味します。

このように年度毎の実績を積み上げていくというのは、「法定開示書面」などで提示する実績推移に信用力が高まり、加盟に至る確率が高くなることを意味します。
加盟者を計画通り進めるためには、やはり実績を積み上げるしかないのです。

アーリーステージにあるFC本部の加盟募集

アーリーステージの段階にあるFC本部にとって、例外なく直面する壁が加盟店開発です。
加盟者がいない段階では信用力もなく、第1号加盟者の獲得に苦労します。
これは現在では2万店以上を誇るセブンイレブンでも同様でした。

セブンイレブンの第1号店はFC加盟店です。
直営店ではありません。
先代から引き継いだ若き豊洲の酒屋が第1号店です。

酒屋の将来性への不安と新しい業態の魅力に経営者が飛び込んだのです。
しかし品揃えや在庫・物流の問題で課題は山積でした。
それを本部が徹底的に寄り添って一緒に解決して乗り越えてきたのです。

この時、本部より「失敗の折は本部で責任を負い、店舗を元通りに戻してお返しします」と約束をしたとも言われています。
それぐらいの覚悟で本部も臨まなければ、このビジネスモデルに人生を預ける加盟者にとっては不安が大きいのです。

自分で責任を負う覚悟であれば絶対に失敗をしたくないはずです。
FCビジネスは、加盟者を募れば売上や店舗数が自動的に拡大する一発逆転の「チャリンチャリンビジネ
ス」ではないのです。

まとめ

「法定開示書面」は正確な実績を記載しなければなりません。
加盟希望者の加盟判断基準となる数字です。

実績の低い段階では加盟者を増やすのは困難ですが、逆に実績が積み上がってくれば、加盟者の成約率は実績に比例して加速度的に上がってきます。

加盟店開発は、どのFC本部でも直面する壁ですが、結局本部の「信用力」を高めること、つまりビジネスモデルで実績を積み上げることによってしか、安定して加盟店を開発し続ける方法はないのです。

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