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フランチャイズ本部がおさえておくべき法定開示書面のつくり方(冒頭~序章)

中小小売商業振興法では、本部が加盟店とフランチャイズ契約を締結する前に、FC本部による書面提示と時間をかけた説明責任を課しています。ここを端折ってろく説明しない本部は信用できません。
中には本部の担当者が法定開示書面の内容を理解しないまま、加盟希望者に押印させるようなケースもあるようですが、FC本部の姿勢としては論外でしょう。

「法定開示書面」も「FC契約書」と同様に加盟希望者が契約の判断をする上で貴重な資料となります。
業種業態別に内容は異なりますが、今回は「法定開示書面」の基本的な作成方法に触れていきたいと思います。

(1)具体的な内容の前に加盟希望者の覚悟を確認する項目ページ

フランチャイズ契約のご案内

ここでは、中小小売商業振興法、並びに独占禁止法の考え方に基づいて作成した資料であり、第三者に相談するなど、できる限り時間をかけて判断し、不明な点は遠慮なくお問い合わせ頂く旨を記載します。
冒頭に自社の社名・住所、説明担当者の氏名・所属部署・連絡先などを記します。

フランチャイズ契約を締結する前に

フランチャイズ契約は統一性やブランドイメージを保つために、一定の制約やルールがあること、加盟者独自の経営手法を重視することはできないことを記します。
次に、本部と加盟者との間にはそれぞれの役割が明確に決められており、その役割分担と各々が確実に履行することが成功の鍵である旨を記載します。

これらの冒頭のページでは、フランチャイズ契約を締結する前提として、様々な制約のもとでも、加盟者が不断の努力を怠らない覚悟を問う内容とします。
この覚悟がなければ具体的内容の説明には入らない姿勢が必要となります。

(2)自社のフランチャイズシステムについて公開する項目ページ

ここから具体的な内容に入っていきます。
先ずは自社がどのような会社なのかを理解してもらう項目です。
ホームページにも記載する内容も多いですが、説明責任のある立場として確実に説明を実施しておくべき項目です。

経営理念

自社の理念に共感していただけなければFCビジネスは長続きしません。
何故この経営理念になったのか、言葉の裏にどのような想いが詰まっているのか、加盟希望者に説明を施す現場担当者が腹落ちしていなければなりません。

本部の概要

社名・所在地・資本金・設立年月日・事業内容(他事業も含む)主要株主・主要取引銀行・従業員数・子会社・関連会社・所属団体・沿革 等です。

自社が何者であるかを明確に記載します。その時点では自社のホームページとほぼ同じ内容となるでしょう。

しかしホームページは時間とともに更新されていきます。
一方、この「法定開示書面」は一生このまま残るものです。
加盟希望者のFC契約を判断する時点で会社(本部)がどのような状態であったのか、その時点で加盟者が加盟判断をした証跡として有効なのです。

会社組織図・役員一覧

前項の「本部の概要」と同様ですが、現時点での会社の状態を明示します。
加盟者にとって本部の経営者の顔が見えることが大事です。
どのような経歴を持った人物なのかも明示できれば、ビジネスパートナーとして信頼できる経営者なのか判断材料になります。

また、組織図によって加盟者と日々対峙する部署はどの部署で、その責任者は誰なのかも知りたいところです。

まとめ

今回は「法定開示書面」の冒頭から序章の部分の解説となりました。「FC契約書」の前段階として時間をかけて説明することを要しますが、これは本部・加盟希望者の双方にとってとても重要なことです。

手間暇はかかりますが後のトラブルに時間や労力、コストをかけることを考えれば、会社にとってコストパフォーマンスは高いといえます。
「法定開示書面」は確実に作り込み、成長と共にアップデートも欠かさないで頂きたいものです。

なお、フランチャイズ本部の立ち上げ方や成功のポイントについてついて詳しく知りたいかたはこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築の極意。5つの手順と成功する3つのポイント

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