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フランチャイズ展開においてトラブル予防のためにおさえておくべき加盟店営業における情報発信のあり方

「これからフランチャイズ展開を進めていく計画ですが、フランチャイズ化を進めると、当社の精神が薄まってしまうことが心配です。注意すべきポイントを教えてください。」

これは、最近フランチャイズ本部立ち上げサポートのご依頼をいただいた学習塾チェーンを営む企業経営者からいただいたご相談です。

フランチャイズ展開をしようと考えたときに、多くの企業が不安に思うのが「加盟店と理念や経営方針を共有できるかどうか」というポイントです。

フランチャイズ展開を進める場合、様々な考え方を持つ企業や経営者がチェーンの中に集まってくることになります。加えて、本部と加盟店はあくまで対等な関係で、本部は加盟店に命令をすることはできません。そのため、FC展開の場合、直営展開時と比較すれば、何らかのトラブルが生じる可能性は高まります。

フランチャイズ本部としては、加盟店との間にトラブルが生じる事態は何としても避けたいところでしょう。

そこで、今回は本部と加盟者間のトラブルを予防するための加盟店営業における情報発信のあり方について考えてみたいと思います。

(1)「儲かりますよ」という情報発信ではトラブルは回避できない

「加盟店と理念や経営方針を共有する方法」や「トラブルを回避する方法」というと、一般的には加盟後のフランチャイズ本部と加盟者間のコミュニケーションのあり方に目が向きます。

これはこれで非常に重要なことなのですが、それと同じくらい重要なポイントに「加盟営業のための情報発信のあり方」があります。
具体的には、情報発信の際に「儲かりますので加盟しませんか?」といったアプローチを決してしないということです。

というのも、加盟動機が「儲かること」だけであった場合、仮に加盟後に期待通りの収益が上がらなかったときに、ほぼ間違いなくトラブルに発展することになるからです。

加盟店が儲かっていれば問題ないかもしれません。
しかし、どのような事業であれ、100%儲かる事業などありえないでしょう。

もちろん、加盟店を儲けさせることはフランチャイズ本部の使命です。
しかし、儲かることだけを訴求した営業のあり方では、決してトラブルを回避することができないことを心得ておくべきでしょう。

(2)本部経営者の「理念や思想」を「生きた情報」として発信する

それでは、フランチャイズ本部と加盟店とのトラブルを回避するためには、加盟営業の段階において、フランチャイズ本部から加盟者に対してどのような情報を届けるべきなのかというと、弊社は、本部経営者の理念や思想を発信すべきであると考えています。

具体的には、

  • 事業を通じて実現したいこと・達成したいこと
  • フランチャイズ展開をする理由
  • フランチャイズ加盟を通じて加盟者に実現してほしいこと

等があげられるのではないでしょうか。

そして、これらを「生きた情報」として発信していくことが大切です。
具体的には、以下の2つの条件を満たす方法です。

  • 経営者自らの言葉で発信されている(または書かれている)
  • 発信した日付が明示されていて、定期的に更新されている

「生きた情報」に該当するものの代表例としては、定期的に更新されるブログやYouTube等があげられます。

なお、フランチャイズ展開を開始する際「加盟者募集サイトをHP制作会社等に依頼して綺麗に作りこんだ方がいいか?」という質問をいただくことがあります。

もちろん作りこんでいただいた方がいいのですが、このように作りこまれたHPは、第三者が介在して作りこまれていることがすぐにわかるため、情報の信頼度としてはそれほど高くありません。

そこで、情報の信頼度を高めていくためにも、本部経営者の「理念や思想」を「生きた情報」として発信することが求められるのです。

これには手間と時間がかかるため、ほとんどの本部が取り組むことができていません。
ゆえに、定期的に生きた情報を発信していくことができれば、競合他社との圧倒的な差別化要素となりうるのです。

(3)見込み加盟希望者の量よりも質を重視する

ブログやYouTube等で情報発信していくことを考えたときに、まずは「見てくれる人を増やそう!」と考えがちです。
しかし、理念や思想を共有できる加盟者を集めたいと考えるのであれば、量よりも質を重視して情報発信を行っていくべきです。

もちろん、見てくれる人が多い方が望ましいのですが、見てくれる人を増やすことを最優先してそのための情報発信してしまうと、本来の理念や思想から外れた内容になることが懸念されます。
そうなってしまえば、せっかく生きた情報を発信しているにもかかわらず、理念や思想を共有できない加盟希望者が集まりかねません。

加盟後のトラブルを予防することを考えると、見てくれる人を増やすことよりも、本部が加盟希望者に伝えたい内容を軸に、一貫した情報発信を行っていくべきなのです。

まとめ

以上、今回は本部と加盟者間のトラブルを予防するための加盟店営業における情報発信のあり方をご紹介しました。

フランチャイズ展開において、本部と加盟者間のトラブル発生を防止するためには、「加盟営業のための情報発信のあり方」が極めて重要なポイントとなります。
情報発信の際に「儲かりますので加盟しませんか?」といった内容ではなく、本部経営者の理念や思想を自らの言葉で語るのです。

「こんなに儲かりますよ!」という情報と比べてインパクトは弱いため、見てくれる人は限られるかもしれません。しかし、その限られた人の中にこそ、心の底から本部と理念や思想を共有できる加盟希望者がいるのではないでしょうか。

フランチャイズ展開を成功させる原則は、本部と加盟店が理念や思想を共有することです。
フランチャイズ展開で成功を目指すのであれば、この原則から外れないよう、特に加盟営業時の情報発信のあり方には最善の注意を払うべきと考えます。

なお、フランチャイズ本部の立ち上げ方や成功のポイントについてついて詳しく知りたいかたはこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築の極意。5つの手順と成功する3つのポイント

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