焼肉ファーストフードチェーンの焼肉ライクは、2020年12月以降、大豆を用いた焼肉用の代替肉を全店導入しています。国内における焼肉チェーンの代替肉の取り扱いは、これが初となるようです。
焼き肉のファストフードをコンセプトに掲げる焼肉ライク(東京・渋谷)は、20年11月から一部店舗で代替肉をメニューに加えた。今までの焼き肉の概念を覆すことがブランドとしての価値になっていく――。そんな思惑から始まった。
中略
国内の焼き肉チェーンが代替肉をメニューに採用したのは同社が初めて。世界的にも恐らく例がない。焼き肉店で代替肉――。矛盾を感じる組み合わせに当初は社内でも賛否両論あったが、消費者の反応は前向きだった。SNSでは「食べやすくて、おいしかった」「時代が進化した感じ。うれしい」「お肉っぽいダシに漬け込んだ高野豆腐といった感じ」という書き込みがあった。
出典
2021/02/08 日経MJ(流通新聞) 13ページ
「新世代ミート」の衝撃―焼肉ライク、牛鶏豚と並べて「定番」に、牛肉と同じ値段で提供。
近年、外食業界やフランチャイズ業界で注目を集めている焼肉ライク。
「焼肉のファストフード店」というこれまでにはなかった新たなコンセプトを打ち出し、ここ数年で急拡大を遂げてきています。
消費者に対して「一人で焼肉を楽しむ」という新たな価値を提供したことが好調の要因でしょうが、今回の取り組みを見ていると、次なる「新しい価値」の提供に向け、試行錯誤を重ねていることがわかります。
記事にもある通り、焼き肉店で代替肉を提供することに矛盾を感じる方も多いでしょう。しかし、消費者の嗜好が多様化する現代では、完全菜食(ヴィーガン)でも、焼き肉を食べたいという人は一定数存在するかもしれません。
一見して矛盾を感じる取り組みである分、同業他社には見られない取り組みでもあります。焼き肉店で代替肉を提供するという従来にない取り組みが、どの程度市場に受け入れられるのか、今後の動向が注目されます。
同社の取り組みが成功するかどうかは置いておくとしても、環境変化が急速に進む現代において、従来の発想にとらわれない新しい取り組みを進めていくことは、企業の持続・発展にとって不可欠なものと感じます。
特に、自社のビジネスモデルを加盟店に販売するフランチャイズ本部であれば、そのことがなおさら重要になるでしょう。
同社の取り組みからは、コロナ禍によって時代が変わるいまだからこそ、リスクをとって新しい取り組みにチャレンジする必要性があることを感じされます。
なお、ポストコロナ時代に選ばれるフランチャイズ本部について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。